日別アーカイブ: 2010年3月15日

【Audiobook】【補足】「なぜか、『仕事がうまくいく人』の習慣」を実践できない場合に起こる悲劇について

さきほどの記事は軽い文調で書きましたが、”Do it now!”が実践出来ていないとどのような悲劇が起こるかをこの記事で記します。下記に再度仕事が出来ない人の手順を紹介します。

  1. Mailを見る。その場では返信しない。
  2. Mailの事を思い出す。
  3. Mailを再度読み直して、仕事を片付ける。

すぐに仕事を片付けない場合、一人で仕事をしている分に誰も督促を入れてきませんが、複数の人間・他部署の人間と仕事をしていると必ず進捗確認の電話(もしくはMail)が来ます。「(2)Mailの事を思い出す。」が他人によって無理やり強いられます。その際に仕事をちゃんとしていないと「いつまでに終わらせるのか」「進捗はどうなっているのか」といった報告の時間を取る必要が出てきます。これは全くの無駄な時間です。この報告をしている間に仕事は少しも進まないのですから。そして報告ばかりしていると仕事が出来ずに、さらに督促の電話が来ます。悪循環です。

私が以前勤めていた会社では、この悪循環をこじらせた技術者がよく「終電まで働いている」、そしてまた「土日も働いている」状態に陥っていました。「終電まで働いている」のは業務時間に言い訳ばかりしているから。そして「土日も働いている」のは、週末は電話がならなくて仕事に集中出来るからです。私は自分が営業マンをしている時にこの確認・督促の電話をするのが本当に嫌で嫌で仕方がありませんでした。なぜなら自分が電話をすることで「彼らの仕事をする時間を奪う」ことを痛感していたからです。そしてまた2ヶ月間、休みなしという親しい技術者もいる事を知っていたからです。

そんな中でも仕事のできる技術者はいました。彼らがなにをしていたかと言うと「出来るだけ早い時間に出社する」ということです。始業前なら確認・督促の電話は鳴らず、仕事に集中出来ますから。彼らの仕事振りは下記のようになります。

  1. 確認・督促の電話がなる前に仕事を片付ける
  2. 電話がならない
  3. 仕事にさらに集中出来る
  4. 期限を守るやつだと信頼されて、確認・督促の電話がならない。

上記のような好循環を彼らは維持していたのです。仕事が出来る人はほとんど始発近くの電車に乗っていたのを覚えています。しかし、そんな生活が全員に出来るとは思えません。特にフレックス制度のない会社でそれをするのは大変だと思います。いわばこれは早朝残業ですから。

私はそんな苦労をせずに「仕事が出来る人」も「仕事が出来ない人」も仕事に集中できる方法はないかと当時は色々と考えていました。そんな時に出会ったのが女性用下着を取り扱う会社、トリンプで実践されている「がんばるタイム」です。「がんばるタイム」「毎日12時30分から14時30分の2時間の間、私語はもちろんコピー、電話禁止。」という制度です。トリンプの「がんばるタイム」は本当に名案だと思いました。是非実行してほしいとずっとずっと切望していました。しかし結局前職の会社では未だに実現していません。そして私の親しい技術者達はいまも残業地獄と休日出勤に苦しめれています。

良い発想があっても、それが理解して実践されないと悲劇は続くのかと今も無力感を覚えています。そういう苦い現実を踏まえた上で、このトリンプの「がんばるタイム」は出来るだけ多くの会社に導入されてほしいと今は願っています。特に労働時間の長さで苦しんでいる会社ほど効果的だと思います。この記事を読んだ方はこの「がんばるタイム」を是非周りに布教して、実践できるようにしてください。

【Audiobook】なぜか、『仕事がうまくいく人』の習慣(原題 The Personal Efficiency Program)

この本は大学時代に読みましたが、あれから何年も経っていますが未だに私の本棚に残っています。大学時代に読んだ本の中で5指に間違いなく入る素晴らしい本です。この本は次のような人にお勧めします。該当者は本を読むべしです。

  • 部屋が汚い人
  • いつも締切に追われている人
  • 『忙しい』が口癖の人
  • 試験前日になってようやく勉強を始める人
  • 夏休みの宿題を8月31日に終わらせていた人

では具体的にまずは仕事が出来ない人の仕事術を紹介します。以下、仕事が出来ない人の仕事術です

  1. Mailを読む。とりあえず読むけどその場では返信しない。
  2. しばらくしてからMailの事を思い出す。
  3. Mailを再度読み直して、仕事を片付ける。

次に仕事が出来る人の仕事術です。

  1. Mailを読む。その場で返信する。

仕事が出来る人は見たその瞬間に仕事に着手して、その時すぐに仕事を終了させました。これが本書で述べられている最も大切な仕事術“Do it now!(いますぐそれをしろ)”です。仕事が出来る人は”Do it now!”を実践した結果、「あとでMailを思い出す時間」「再度Mailを読み返す時間」をすべて無くすことが出来ました。結果として、無駄な時間を大きく減らしています。

最初に挙げた本を読んだ方が良い人達は全てこの”Do it now!”を実践できていない人達です。部屋が汚い人も同様です。「散らかっているものに気付いて、その場で『すぐに』『その時』整理整頓する。」ことが出来ていないのです。すぐに整理整頓をしないから「あとで整理整頓しよっと」と考えて思考時間を無駄にしています。この思考時間を無駄にすることは小さいことに思えるかもしれません。しかし、そう考える人は無数の同様の出来事で時間を無駄にしています。その無駄にした合計時間は恐ろしいものになります。

そしてまた、整理整頓が出来ていない人は1年間にどれだけの時間を無駄にしているのでしょうか。本書では1年間に米国のホワイトカラーの人が事務所で捜し物をする時間は「6週間」であると述べていました。ちりもつもれば恐ろしい時間になります。あんまり難しいことをいうのもあれなので本題に戻るとこの本に書かれていることを実践すると「部屋(事務所)が綺麗になります!」「労働にかかる時間を大幅に減らすことが出来ます」ということです。「整理整頓が実践されて」「先延ばしの習慣がなくなれば」あなたの仕事振りは大幅に改善し、労働時間も短くなります。

また、この本はトヨタ生産方式で述べられている考え方と驚くほど酷似しているので、経営に関心のある方には特にお勧めです。本書はトヨタ生産方式を学ぶのよりもずっと簡単に学べます。

とりあえずお使いのパソコンのデスクトップがアイコンで埋め尽くされている人は本書を読んだ方が良いと思います。

【書評/Review】パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本

米国市場についで巨大な日本の国内市場、そして住みやすい日本に留まっている日本人。しかし、外の世界では急激に変化が起こっており、現在の「パラダイス鎖国」を維持できなくする変化が起きている。

その動きに未だ気付かず衰退を待つ日本人の姿が私にも海部さん同様にいまはよく見えます。私も著者と同様に日本という国を一度外から見たことによって、今は彼女と同じような視点を持つようになりました。

海部さんの主張は私が考えている事とほとんど全く同じな事に少し驚きました。しかし、これは一度海外から日本を客観的な視点で見ると自然にそう思うようになるのかもしれません。

彼女の主張で最も賛同する箇所は「内なる黒船」、Change Agent(変化のきっかけとなる触媒)を日本国内で育みましょうというものです。そしてChange Agentを育むためには日本社会が「多様性」を認める社会である必要があるということです。多様性を認めることによって変化を引き起こす「プチ変人」をどんどんと日本国内で育みましょうというのが著者の主張です。一部関連箇所を本文より抜粋します。

  • 全員が均衡のとれた人間では、社会は多様にはならない。多様性を受け入れるということは、バランスが偏った人間や、自分とは違う意見を持っていたり、利害が対立したりする人間を受け入れ、許容することを意味する。
  • 特に、欠点も多いが優れた異才があるというプチ変人を育てようと思ったら、「減点主義」ではうまくいかない。

日本人の国民性を考えると放っておいても効率化はこれまで同様に追求し続けるはず。でも、このChange Agentを育むためにはこれまでのように多様性を認めない偏狭な社会ではいけない。もっと多様性を認めて、「パラダイス鎖国」をゆるやかに開国していきましょう。これが著者が最も伝えたい主張です。

日本国内にいても英語やその他外国語を勉強して、日本語以外の資料・日本人以外の人達の意見に触れている人達は彼女が著書で述べたことが現実に起きているとうすうすと感じていると思います。私はそういう人達よりもむしろ日本語しか知らず、日本人としか接しない人達にこの「パラダイス鎖国」を読んでもらいたいです。