日別アーカイブ: 2010年4月5日

【宗教】日曜朝はTVで教会の説教番組を視聴する。日常生活に宗教が根ざしている米国社会。

この記事では私が米国で体験したキリスト教と日本人が知っておくべき宗教に関する注意事項を記します。

米国で日曜の朝といえば礼拝です。そして宗教の説教がTVで放送されていました。宗教の説教をTV放送って…、と日本人にはあまり想像出来ない事です。ここで具体的に番組を紹介します。私が良く観ていたのはJoel Osteenの番組です。

iTunesでJoel Osteenは説教を配信しているので興味があるということであれば聞いてください。また、彼の著書はNYCの空の玄関であるJFK空港の本屋でも普通に売っていました。「教会の説教がPodcastで配信されている。こういうのはありがたみがあるんだかないんだか」とはじめて知ったときはそう思いました。

自己啓発系のAudiobook(7つの習慣やDale Carnegie)を聴き慣れている人は教会の説教をわりと簡単に理解できるので一度聞いてみると良いと思います。”You would be blessed by Jesus. Hallelujah!” 「Godは貴方にかけがえのないものを与えてくれている。だから貴方はやがてはGodの奇跡によって救われる。Godを讃えよ!」っていう感じの説教です。ここで一つ補足しますが、「God」と日本の「神」は概念が全く異なる別物だと思って下さい。日本の神様は八百万ですが、向こうは唯一神です。

Twitter上でもらったReplyでなるほどと思ったのが、日曜朝に放送される宗教の番組は「NHKのど自慢のような番組」を想像するとだいたい合っています。「きょうは~市の~教会から中継です!!」という感じです。ですから日本人が想像も付かないような強烈な番組ではありません。

キリスト教については前記事で紹介したユダヤ教ほど強烈な体験はしていません。でも米国で暮らしていて、米国社会には宗教が当たり前のように生活に存在するのだなと実感しました。ですから、米国で自己紹介をする際に自分の宗教は何で、それはどういうものかくらい説明できるくらいの教養を身につけておいた方が良いです。無信教というのは止めておいた方が良いという本の記述を読んでいたので、私は一度も「無信教です」と言ったことはありません。

私は「Shintoism神道が自分の宗教です」と言っていました。「神様が八百万いる」というと相手がびっくりするのが面白かったので、仏教ではなくあえて神道と言っていました。あと「実は神道と仏教の2つを信仰しているんだ」とか米国人からしたらありえない信仰の柔軟さを発揮して、相手を驚かせたりもしていました。他に面白い話しでは「日本人の宗教って”武士道”だろ?腹切り!」と言っていた人もいました。冗談ですがそういう上手い事を言われるとは思わなかったので、これには思わず笑ってしまいました。

ここからちょっとまじめな話しをすると、NYCは多様性に満ちた街なので宗教についてはかなり寛容です。しかし、これが米国の田舎に行くと様子は一変します。進化論を否定して、創造論Creationを信じる原理主義fundamentalismの人々には私がさっき言ったような冗談が通じません。NYCで会った私と親しい教養ある人達は創造論Creationを今どき信じるなんて(過激な表現なので自粛)な人だけだよと言っていましたが…。彼らの言い分は理解できる一方で、米国は日本以上に富・教養の格差が激しいので、現在の資本主義では救われない人々にとっては宗教は必要なのかなとも考えさせられました。彼らに取っては宗教が「救い」です。

宗教の話題は非常に難しい話題なので、英語が苦手な日本人・米国情勢に疎い日本人はあまり喋らない方が良いです。私もごく限られた教養ある親しい人々のみとこれらの話しをしていました。以前に紹介した「本当に使える 実践ビジネス英会話」で模範的な宗教についての回答例が載っているので、留学前に宗教の項目については熟読してください。そうすれば宗教が話題になっても致命的な失敗は犯さないで済みます。

>参考記事 【職場】職場で実際に使われている英語を学ぶ 「本当に使える 実践ビジネス英会話」

【宗教】信仰心篤いHasidic(厳格で敬虔なユダヤ教)の人々

この記事ではユダヤ教、特に信仰心篤いHasidicの人々について紹介します。私はNYC滞在中、Brooklynでユダヤ人の中でも特に宗教に厳格なHasidic Jewsの人達に囲まれて暮らしていました。まず彼らの写真を見てください。

男性は黒ずくめの格好。黒のジャケット、パンツ、黒の帽子(時には丸い小さな帽子)。そして何より長いモミアゲ。女性は丈の長いスカートでまるで19世紀のような伝統的な服装。とても奇妙な格好です。このような奇妙な服装をした人達に囲まれていましたが、私が暮らしている地域はとても安全でした。それは彼らが自警団を作って昼夜問わずに常に巡回しているからです。

金曜日の夕方には警報が鳴り響きます。彼らのSabbath、安息日が始まる合図です。警報は2度鳴ります。一度目の警報では、安息日がこれから始まることを知らせる。そして2度目の警報以降、彼らは「電化製品に手を触れること禁止されます」。詳しくは知りませんが、なぜだかHasidicの人々は電化製品を安息日には触れられません。だから電灯、車、調理器具、その他もろもろの電化製品に一切触らなくなります。私は一度、隣に住んでいるHasidicから「うちの電気を消してくれ」と頼まれたことがあります。その時彼の英語は分かったのですが、発言の意味が分からずに思わず思考が固まりました。そして、返答できずに固まっていると”Do you speak English?”とか腹立つ事言われたりしました。それはまた別の話し。その後、彼の家に入って電気を消してきました。彼からはこの事でとても感謝されました。またGraceは週末によく「電気消して」と頼まれるって言っていました。

金曜日と土曜日は通りの店が全部閉まります。その間、彼らはSynagogue、ユダヤ教の礼拝のために設けた教会堂で祈りを捧げているとのことです。Sabbathは金曜日の日没から土曜日の日没までです。これは旧約聖書の創世記の記述に基づくものです。

あと米国に行くまで知らなかった英単語、kosher。この単語は時々街角で見かけました。Kosherとはユダヤの立法にかなった食物の事です。Kosherに反する食べ物を彼らは食べません。宗教で食べられるものが禁じられているというのは日本人にとっては馴染みのない事です。

そして最も強烈な慣習が ”no birth control”、つまり彼らは出産制限をしないということです。ですからとても子沢山です。街角の至る所に子供たちで溢れていました。Wikipediaで調べたら米国では一家族平均7.9人の子供がいるとのことです。すごい子沢山ですね。

引用: Hasidic Jews typically produce large families; the average Hasidic family in the United States has 7.9 children.

子育ては地域で助け合う。そして教育は自分たちの学校で行う。だから教育費を廉価に抑えてられる。よってこれだけの多産が可能なのかなと私は推測しました。そしてユダヤ人はとても教育熱心な民族です。私も一人ユダヤ人の親しい友人がいますが、彼の教養には驚かされ続けました。彼はHasidicではありませんでしたが、彼の伯父一家はHasidicです。また、Hasidicほど宗教心は強くない宗派のようですが、現在のNYCの市長、Michael Bloombergもユダヤ教です。

日本人が見たら異様にしか思えない人達ですが、私は彼らのような暮らしも悪くないなと思うようになりました。服装は奇妙ですが、普通の米国人よりもよほど身なりはしっかりしています。また信仰心のおかげか態度や振る舞いがとても良いです。

彼らは家族の結びつきが強く、いつもお祭りや結婚式をしている光景を見ました。彼らのお祭りのために警察官が道を特別に閉鎖することにAngelaがブチブチと不満を言っていたのを覚えています。また、秋にあるユダヤ教の新年のお祭りでは「ホラホラホラ」と大声をあげて深夜まで大騒ぎしていました。騒音に怒ったGraceが抗議の電話をかけていました。そしてまた、私が住んでいた場所はMessiah(預言者)が生まれた聖地らしく、米国以外からも常に巡礼者が訪れる場所でした。そこでは英語以外の言語が飛び交っていました。だからお祭りが盛んだったのだと思います。

日本人には関係ないと思うかもしれませんが、このCommunity実は日本にもあります。私はユダヤ人の友人から東京にあるCommunityのWebsiteを教えてもらいました。また、東京の広尾と神戸にSynagogue(ユダヤ教の礼拝堂)があります。

ここから私が彼らを見て感じたこと、「宗教も悪くないな」と思った理由を紹介します。Hasidicの人達のように、日本人の勤労者で地域のお祭りに積極的に参加している人はどれだけいるのでしょうか。これは長時間労働で会社に拘束されている人達に特にお尋ねしたいです。ここで一つ興味深い記事を紹介します。

会社以外にしっかりとした価値観を持っているのであれば、長時間働くこともないと思います。自分の中にしっかりとした軸がないから、会社から命令されたからという理由で終電まで嫌々働かされている日本人の姿を私は先程の記事を読んで連想しました。「平日夜や週末、祝日は家族と過ごす時間だから働かない。」と言って家族とちゃんと過ごすHasidicの人々の方が、本来休むべき週末や祝日、そして正月までも関係なく働き、長時間労働で苦しみ続ける日本人よりもよほど幸せそうに思えました。また、この考えはHasidic人々だけではなく他のキリスト教やイスラム教も備えた考えです。日本は殆どの個人は宗教などに根ざした価値観を持たないので、日本社会で決められた曖昧な暗黙のRuleを拠り所にしていると思います。そして現在はその暗黙のRuleがうまく機能せず、人間の普遍的な幸福を求めることさえも否定しているように思えます。この暗黙のruleが現在の「劣悪な労働環境」、日本の過労死に繋がるような過剰労働を作る一因になっていると思います。今はかつての日本のように「ならぬことはならぬ」と言い切れる価値観を持つ彼らが少し羨ましいです。

Hasidicの人が経営する最寄のパン屋さんで購入したChocolateに包まれたパンやCup cakeを食べながら、いつもそんな事を考えていました。ちなみにこのパンとcakeって日本よりもかなり味付けが甘いです。写真を取り忘れたのが残念。またこのパン屋の立地は最悪らしく、店が出来ては潰れる「呪われた場所」だとMichaelに教えてもらいました。お世話になったパン屋なので願わくば潰れないで下さいと日本からお願いしておきます。あと、ユダヤ人関連の食べ物では私はBagelにcream cheeseを塗ってよく食べていました。今となっては懐かしい米国の食べ物です。またいつか食べたいです。Twitterでこの記事の下書きをした際に貰った面白いReplyをこの以下に紹介します。

  • Jewsの生活には歴史的かつ文化的背景あってのものですので異論を唱えるつもりは勿論ありませんが、男尊女卑的な思想には抵抗を感じます。最たるものはBirth Controlの拒否について、また冠婚葬祭においても女性が立ち入れない領域があります。
  • ユダヤ人はユダヤ教を信仰している人なので、「日本人だけどユダヤ人」という人もいます。
  • 諏訪の某大手メーカーと業務提携をしていたので彼らは平日諏訪にいましたが、金曜日午後には安息日の始まる時間に間に合うように上京、新宿近辺にKosherのレストランで食事をしていたようです。
  • スピルバーグ監督もユダヤ系ですね。彼が「シンドラーのリスト」や「ミュンヘン」などの作品を世に送ったのは、その出自も関係しています。
  • 安息日、イスラエルの場合は公共交通機関(電車・バス)が休みになります。