【発音】【補足】カタカナ和製英語の弊害

今回の記事はTwitter上に書いた際に、賛否両論まっぷたつの意見をもらいました。正直書こうかどうか迷いましたが、以下の人たちのためにあえてこの記事を書きます。私は以下の人たちの立場から今回の記事を書きます。この点をまずは御理解下さい。
  1. 英語を学習する日本人
  2. 日本語を学習する外国人
  3. カタカナ語辞書を所持している私の親世代
カタカナ和製英語は様々な点から不利益をもたらしていると私は考えております。まず1番目の「英語を学習する日本人」の立場から述べます。あなたは下記の単語を正確に発音できますでしょうか。
  • 「パープルPurple」「バードBird」「シップship」「ベテランveteran」「バニラvanilla」「イミグラントImmigrant」「フィフスFifth」
これらの単語はカタカナで表記した音と英語の発音では全く異なります。ここで紹介している英単語は私が実際に上手く発音できずに苦労した英単語です。以前の記事、【発音】英語の音と日本語の音は全く違うでも紹介しましたが英語と日本語では全く音が違います。そして全く違う音であるにも関わらず、日本語では英語をカタカナに置き換えて対応しています。この置き換えられたカタカナ英語が日本人が正確な英単語の発音を学ぶ際の弊害になっていると思います。特に「RとL」「BとV」「SとSh」「母音と子音」の音の違いに私は苦しみました。その時に私が思ったことは「最初に誤った音をカタカナ英語で学ばなければ、もっと英語習得が楽だったのに…、同じ言葉を2回に分けて理解するという二度手間がなかったのに…」ということです。

もう一つ別の視点から弊害の例を上げると、「クラウド」と言われてCrowdなのかCloudなのか即座に判断することができますか。どちらの単語になるのかは文脈から判断せざるを得ません。CrowdとCloudでは全く音が違います。こういった例が他にも無数にあります。これが日本人の誤った発音や英単語の認識を生み出す土壌になります。以上の理由から、日本語以外に英語も使う日本人にとってはカタカナ英語は害をもたらすものであると私は考えています。

次に2番目の「日本語を学習する外国人」の立場からの弊害について書きます。特に私は日本語を学習するNative English Speakerと親交があったので、彼らの視点から記します。日本人にとって英語の音が全く馴染みがないように、Native English Speakerにとっても日本語の音は馴染みがないものです。

例えば日本に2年間住んでいたカナダ人Canadianの女性は「サンクス」という単語が”Thanks”を表す単語であることに私が指摘するまで気付かなかったです。また、最初に私が並べた一連のカタカナ英語は彼らにとってはEnglishとは全く別の言語です。だから彼らはカタカナ英語を一から学ぶ必要があります。もしカタカナ英語がアルファベットAlphabetで最初から表記されていれば、彼らもカタカナ英語を一から覚えるという事をしなくて良いのにと私は思います。カタカナ英語は外国人が日本語を学ぶ際の重荷になっています。

最後に「カタカナ語辞書を所持している私の親世代」の立場からの弊害を書きます。なぜ英語をそのままカタカナにするのでしょうか。そして、日本語に翻訳できる、日本語で書ける用語をなぜわざわざカタカナ英語で表記するのでしょうか。

  • 「トピックTopic」「アジェンダAgenda」「イシューIssue」
例えば上記の単語などはあえてカタカナ英語で表記する意味はあるのでしょうか。それぞれ「話題」「議題」「問題」と日本語で表現は出来ないのでしょうか。英語に親しみのない私の親の世代は、そういったカタカナ英語が理解できないということを私は知っています。特にコンピューターComputer関連の用語で苦労しているのを私は知っています。例えば「ログインlog in」と言われても何の事か私の両親は最初全く理解出来ませんでした。Log inは「開始」と翻訳すれば、英語に詳しくない親世代も苦労なく理解できるのになとその時は思いました。日本語は多様な表現力があるのだから、日本語で表現できるものは日本語で表現すれば良い。そうすれば私の親世代もちゃんとその概念を理解できると思います。

ではこれら問題点を踏まえた上で、英語学習者に私からの提言をします。強制はしませんが、できれば共感して協力していただけると嬉しいです。以下、カタカナ英語の害悪に気付いた人が取るべき行動3か条です。
  1. カタカナ英語は使わない。代わりに対応する日本語を使う。(例)アジェンダAgenda→議題
  2. 西洋の概念や科学技術を紹介したい場合は英語で表記する、つまりAlphabetをそのまま使う。そして、翻訳が必要な場合はAlphabetの後ろに日本語訳を付ける。(書き方の例)Immigration(入国・移民)
  3. カタカナ英語を使わざるを得ない場合はAlphabetを併記する。これは誤った音を覚えるのを防ぐためです。もし併記できない場合は最低限自分自身は元のAlphabetを把握するようにしましょう。カタカナ英語をそのまま暗記するような真似だけはしてはいけません。
現在これほどまでに広まってしまったカタカナ英語を一度に無くせというのは無理なのは承知しています。しかし、私が最初に述べた3つの集団の人達のためにもカタカナ英語は徐々に無くすべしというのが私の主張です。なお、私の文章は基本的に全て上記3か条を踏まえた上で書かれています。

【発音】【補足】カタカナ和製英語の弊害」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: シンガポールの英語、シングリッシュ。国の数だけ「正しい英語」がある。 « The Wisdom of Crowds – JP

  2. 全く同感です。
    この意見に反対する人の気持はわかるのですが、もはや現代では通じないと思います。

    特に理系の分野ではこれのせいで物事に対する本質的な理解がしにくいという弊害さえあるのです。

    さらにいわゆる和製英語 Japanized English の観点でも。カタカナ語のせいで間違った英語を覚える人も多いはず。例えば今思いついた例で言うと、daylight saving の事をサマータイムと言うなど。

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