月別アーカイブ: 2月 2010

【英文読解】【補足】英語の勉強が辛くなったときにはこの記事を読んでください。

英語上達完全マップの記事を読んで「こんな勉強をするのは無理だ」と思った人のために私がNew Yorkで経験した出来事を記します。これを読んでやる気を高めてください。

昨年の暮に縁があって日系企業のChristmas Partyに出席しました。名前は明かしませんが、誰もが知っている有名企業です。高級Hotelから見るManhattanの夜景は豪華絢爛で美しかったです。そのPartyは日本人とそれ以外の従業員がだいたい3対7くらいの割合で出席していたと思います。参加した日本人は大きく二つの集団に分ける事が出来ました。すなわち、現地の人々との交流を英語で楽しんでいる人達日本人同士で群れて日本語で会話している人達。現地の人達と交流している日本人の人達は当たり前の話しだけど英語が達者。ちゃんと意思疎通をしていました。そういう人達は残念ながらとても少なかったです。有名企業の現地駐在員だからもっと英語が出来る人が多いかと想像していたのですが、そうでもありませんでした。一緒に行ったHost Familyのお父さんに実際の職場での交流具合を聞いてみると「日本人は普段は日本人同士で日本語で話しをしていて、必要な時だけ米国人と英語で話しをする」という職場での状況を教えてもらいました。「日本から出て海外に行けば英語が話せる」という幻想は一刻も早く捨てた方が良いと思います。New Yorkで色々な日本人を見ましたが、そんな事は絶対にありませんでした。一流企業に勤めており、海外勤務に選ばれる優秀な社員であっても十分な英語力を身に付けていないことがあると私はこのPartyで実感しました。

もう一つの例は私の研修先の職場にある日本人の男性が来たときのお話。職場で彼は物怖じもせずに積極的に英語を話していました。しかし、文法と発音はひどいもので「カタカナBroken Japanese English」だよなと私はその人の英語を聞いて思いました。案の定少し難しい話題になると意思疎通が危うい感じになって、職場の同僚からは横目で「彼はいったい何を言いたいんだ」というような目線が送られてきたので、要所要所で私が補足していました。面談が終わった後に私はその日本人の男性と話しました。彼は「自分は他の日本人と違って積極的に現地人と話すようにしている。自分は米国に来る前は英語が出来なかったが、今では現地の人達ともちゃんと意思疎通が出来る。」という事を誇らしげに語っていました。あとでその男性と話した職場の同僚と話してみると「彼の英語は何を言っているのか良く分からなかった。あなたが通訳にいて良かった」と言われました。その時点では自分の英語も大したものじゃなかったですが、少なくとも「基本的な文法を踏まえており」「理解される水準の発音」だったからそう言われたのだと思います。

ここで本題に戻りますが、仮にあなたが米国に長期間滞在した場合(留学など)、どのように過ごしたいかということです。せっかく海外に行ったのに、日本人同士か英会話学校の生徒同士でしか交流出来ない、現地の人達とは交流出来ない生活。また、仮に交流したとしても必要最低限のやり取りしか出来ない生活。そういう生活は望む人は私のblog記事を読む人や英語上達完全マップを読む人にはいないと思います。

英語上達完全マップに書かれていることをちゃんと実践するのは大変です。しかしそれを実践すると日本にいながらにしてTOEIC800以上は必ず達成すると思います。英語上達完全マップに書かれていましたが、TOEIC800点以上の人なら海外経験が無くてもすぐに現地の人々と問題なく意思疎通が出来るとありました。現に私も訪米した時点でのTOEICの点数は800点を超えていました。そのため言葉で致命的に困ったという経験は実はしていません。自分の留学生活を振り返ると「訪米後一ヶ月後にはもう特に問題もなく普通に暮らしていたな」と思います。

ここでもう一人の日本人留学生を紹介します。彼はCanadaにおよそ300万円の費用をかけて、1年間語学留学で滞在していました。しかし、彼は英語の基礎が全く出来ていない状態で留学したため、結局1年間の留学の結果「TOEIC 600点未満」という英語力しか達成出来ませんでした。話しを聞くと、現地の人と交流出来ないから落ち込んで何もやる気がしなかった。Snowboardばかりしていたと言っていました。日本国内で身に付けられる英語の基礎能力を身につけることなく、海外留学をすると悲惨な事になるなと彼の話しを聞いて思いました。ここでいう英語の基礎力とは「英語上達完全マップに書かれている勉強法をちゃんと実践しているか」ということです。

何のためにこんなに英文読解の勉強をするのだろうと思うかもしれませんが、それは知的で面白い話しをするためです。”Hello”とか”Hi”しか言えない人は”Hello, Hi friends”(挨拶しかできない奴)ってみなされてまともに相手をしてもらえません。私は先のblog記事で紹介したように大学受験時に読み込んだ参考書のおかげで米国人と色々と面白い話しをすることが出来ました。例えば私は下記のような経験をしました。

  • 民主党が昨年夏の選挙で圧勝した際にはWall Street Journalを買ってきて、それを元に「これについてどう思う」と友人の米国人に聞いてみました。彼は「日本はなんでこんなに総理大臣がころころ変わるんだ?総理大臣が変わるのになんで選挙をしないのだ?」と不思議がっていました。
  • 世界3大美術館の一つであるメトロポリタン美術館に訪れた際には、宗教と西洋美術について一緒に行ったCanada人の友人と話しました。また、彼女とNew York近代美術館に行った際には、理解できない美術品を見ながら「この作品のどこが芸術なのか」という芸術の定義について話しました。
  • 映画「ナイトミュージアム」の舞台であるアメリカ自然史博物館に行った際には、ひたすら恐竜と宇宙について、あと日本人はなんで鯨を食べるのかという話しをSingapore人の友人と話して合いました。
他にもたくさんの思い出がありますが、ここらへんで止めます。もし子供が「なんで勉強しなきゃいけないの?」と尋ねてきたら私はこう教えてあげたいです。「勉強すれば、勉強していない人達よりもずっと面白いことが出来るし、楽しい人達と知り合う事が出来るからだよ」と。もし英語上達完全マップに書かれている勉強が辛くなったら、この記事で私が紹介した話を思い出してほしいです。勉強は大変だとは思います。しかし、ここで英語の基礎能力をつければ、後でとても楽しい経験が出来ます。

【書評/Review】「ネットがあれば履歴書はいらない-ウェブ時代のセルフブランディング術/著 佐々木 俊尚」

ネットがあれば履歴書はいらない-ウェブ時代のセルフブランディング術 (宝島社新書)

  • 評価 ★★★★☆。下記書評で本書に関心を持った方は購入することをお勧めします。

現在Internet上で利用できる様々なSocial Mediaを活用して、自分の価値を周りに認知してもらいましょうというのが本書の主旨。Internetを活用することで、転職、恋愛、自身の業務の営業など効果的に行えるという考えを本書では説いており、またそのための様々な手段が紹介されています。「Internetという便利な道具があるのだから、それを積極的に使ってもっと人生をより良いものにしよう。」という考え方に賛同する人は本書を手にとることをお勧めします。

blogやTwitter利用から始まり、SBIビジネス、タンブラーやBrowser(Firefoxなど)のSocial Mediaの基本的な使い方や実際の活用方法が本書で紹介されています。★を一つ減らしたのは私にとっては目新しいものではなかったという理由です。しかし、これらのServiceについてあまり馴染みのない方には良い本だと思います。

また、佐々木俊尚さん自身がこれらSocial Serviceをとても活用しており、それによって現に仕事上で多くの恩恵を得ていることに感心しました。彼の新しい生き方を知ると、古い生き方しか知らない人達は目からたくさんの鱗が落ちると思います。私自身もInternet上に溢れるSocial Serviceを利用する事でいくらかの恩恵を得てきたので、彼の主張は容易に理解できるものでした。そしてもっと上手くSocial Mediaを利用すれば、さらに大きな恩恵を受けられるのだなと考えるようになりました。

実際に私が知っている事例をここで2つ紹介しますと、日本よりも人材の流動化が進んでいる米国ではLinkedInというServiceに自分のResume(履歴書)を登録でき、そこに登録していたら人材獲得企業から転職の案内が来たという話しを米国の友人たちから何度か聞きました。また、Facebookでは自己紹介欄にNetworking(人脈を積極的に増やしたい!)という項目があり、自分がNetworkingに興味があることをWeb上で明らかに出来、それによって人脈を増やしている人達を見ました。 こういった事が日本でも近い将来当たり前の光景になるかもしれません。

2010年代が始まる今年の1月に出版されただけあって、10年代がどのような時代になるのか、ワクワクとした未来を想像させてくれる一冊です。お勧めの一冊。

【英文読解】おすすめ参考書

この記事では私が大学受験時に使用して、今でも実用的だと思っている参考書を紹介します。

文法を学ぶ

私は受験英語を勉強する際に一番目に使用した参考書。この参考書をちゃんと理解できるのなら、TOEIC900点を越えるまではこの参考書だけで十分です。私はTOEIC900点を越えるまではこの参考書でしか文法をちゃんと学ばなかったと思います。完全に理解できるまで読み込んで下さい。また、この参考書は英単語完全上達マップを実践した人も使用していました。Linkを再度掲載しておきます。なお、この参考書が難しすぎると思った方は中学英語からやり直すことをお勧めします。残念ながら私は中学英語の参考書で良いものは知らないので、英語上達完全マップにて自身に適した参考書を見つけて下さい。

英文読解 音読パッケージをする際にお勧めの参考書

  1. 速読英単語1 必修編
  2. 速読英熟語
  3. 速読速聴・英単語 Core1900〈ver.3〉

私はこれら参考書を暗唱出来るくらいまで読み込みました。この記事を書いていて気付いたのですが、10年以上前のものなのに今でもある程度覚えていたので自分でびっくりしています。1番と2番は受験勉強用なので、内容に興味が持てないということであれば、3番のみをやれば良いと思います。なお1番と3番は英単語完全上達マップでも紹介されている参考書です。

英文読解 技法編

Skimming(文章全体の内容を短時間で理解する)、Scanning(特定の情報を探し出す)、Reasoning(根拠に基づいた上で問題を解く)、これら英文読解の技術は私はこの参考書で学びました。Skimming、Scanning、Reasoningは非常に有効な技能で今でも重宝しています。この技能は英文読解だけでなく、普段日本語で文章を読む際にも使用できます。私は普通の人よりも本を読む速度がだいぶんと速いです。それはこの本で文章の読み方を学んだためだと思います。受験英語を学習した際に最も役に立った参考書だと思います。この参考書で学んだ技能のおかげで、私はTOEICでReading対策をほとんど全くしていないにも関わらず、早い段階からReading Partで400点越えを継続して出し続けていました。

この参考書の難点は「難しい」ことでしょうか。先程紹介した速読英単語1 必修編速読英熟語速読速聴・英単語 Core1900〈ver.3〉をちゃんとやり込んだ人はこの参考書をちゃんと理解出来ると思います。しかし、それ以外の人には私はお勧め出来ません。

以上です。英単語上達完全マップを実践する際にこの記事を参考にして下さい。

【英文読解】王道の学習法 英語上達完全マップ

TOEIC試験でA rank入り(860点以上)を果たすためには、また英会話でまともな文章で話すためには英語の基礎力は欠かせないものと私は考えています。基礎力がなければいくら英語を学習してもめちゃくちゃな文法のBroken Englishでしか話せないと思います。そしてまた、TOEIC試験でListeningの成績は良いが、Readingの成績が伸び悩んでいる人はこの英文読解学習が不足しているのだと思います。読解力とそれを支える文法力が無ければ上級者の道へは決して到達できません。

私は現在TOEIC試験で900点越えていますが、特にReadingの対策はしませんでした。しかし、これは大学受験時にみっちりと読解と文法について勉強したためです。そんな私ですのでTOEICを初めて受験した際には無対策でも600点を越える点数を取得していました。そしてこの記事を読んでいるみなさんにはTOEICで最低600点を越えるまではしっかりと英文読解を通じて英語の基礎能力を向上させてほしいと考えております。以上を踏まえた上で英文読解向上のためのWebsiteと参考書を紹介します。書籍とWebsiteはほぼ同じ内容なので、手元に書籍が必要という人以外はWebsiteで内容を確認するだけで十分です。

ここで紹介されている勉強法はまさに王道です。かなり大変に思えるかもしれませんが、結果としてはこれが最短の勉強法です。これが正しい道です。特に「一つの文章を100回音読することを推奨している音読パッケージ(package)」なんて本当にこの通りに実行する必要があるのかと思えるかもしれません。でも私自身の学習履歴を振り返ると、私は100回音読を実際にしました。私が学生時代に流行っていた本、「超」勉強法 (講談社文庫)においては英文を20回音読する事を推奨していました。私はこれを自身の勉強に取り入れ、結局復習を含めると100回くらい音読していました。その結果、音読していた文章をほぼ丸暗記するまで勉強しました。

さすがに英語学習の専門家が書かれているだけあって、学習の仕方や参考書についても詳細記事が書かれています。英文読解の学習方法詳細は「英語上達完全マップ」を参照ください。この「英語上達完全マップ」で読解学習をする際に私が【発音】【英単語】項目で紹介した方法、Phonicsや語源暗記法と組み合わせて行うととても効果的です。また、「英語上達完全マップ」で紹介されている瞬間英作文については別記事で取り上げる予定なのでそちらも参照下さい。

TOEICの点数が600点を越える水準に到達しましたら次の章「英語実践編」の記事におすすみ下さい。それまでは大変でしょうが集中して学習してください。ここが踏ん張りどころです。ここを超えれば英語学習が楽しくなります。心が挫けそうになった時には下記Websiteを参照下さい。同じように英語上達完全マップを実践して素晴らしい成果を上げた人がそこにいます。

次の記事では参考に私が大学受験時に英文読解を学習するために使用して、今でも十分にお勧め出来ると思われる参考書を紹介します。

【英単語】語源暗記法 参考書と学習方法

この記事では先程の記事で紹介した語源暗記法のお勧め参考書と学習方法、そして注意点について記します。最初に参考書を紹介します。

  1. 連想式にみるみる身につく語源で英単語
  2. 語源とイラストで一気に覚える英単語 (アスカカルチャー)

英単語の音を確認する事ができる電子辞書を所持していない場合は1の参考書を選びましょう。付属のCDで英単語の音を確認できます。もし電子辞書を所持しているということであれば1と2の参考書のどちらを選んでも良いと思います。また他にも良い参考書はあると思うので、興味のある人はAmazonか大型書店に行って確認してみると良いと思います。

次にこの語源暗記法の学習方法について書きます。以下学習方法です。

  1. 参考書に一通り目を通して語源を把握する。※注意!ここで無理して英単語を丸暗記する必要はありません。むしろ丸暗記しないでください。
  2. 英文読解の参考書に取り組み、覚えたい単語があれば語源暗記法で覚える。
  3. 語源を忘れている場合はその度に語源暗記法の参考書に戻って語源を確認する。

英単語は単語自体を丸暗記するのではなく、文章の中で暗記するべきだと私は考えています。英単語の意味をそのまま丸暗記すると色々な弊害があります。この件についてお勧め記事がありますのでここで紹介します。本職の英語の先生の記事なので私の記事よりもずっと説得力があります。是非参考にして下さい。

【英単語】語源暗記法のすすめ

この記事では英語の語彙を飛躍的に増やす語源暗記法について紹介します。最初に私の語彙力を紹介します。昨年の10月に語彙力を診断するWebsite、Word Engineで語彙力を診断した結果によると私の語彙は15,000語強(Native English Speaker水準)であることが分かりました。ここで参考までに上記Websiteで書かれている基準を紹介します。
  • 高校生水準 1,500~2,500語
  • 大学生水準 2,500~5,000語
  • Business水準 5,000~10,000語
  • Native English Speaker 10,000語以上
どのようにして私がこれだけの語彙を習得することが出来たのかというと「語源暗記法」を10代の時に習得した結果、通常よりもずっと効果的に英単語を暗記することが出来た結果だと思います。当時の自分の記録を見返してみますと「語源暗記法を使って2週間で3,000語を覚えた」とか言っていました。本当にそうだったかはもう忘れてしまいましたが、語源暗記法は普通に手がかりもなく英単語を丸暗記するのよりははるかに効果的な暗記方法だと思います。

ではこれから語源暗記法とは何かということを説明します。語源暗記法とは一言で言うと漢字のように英単語を暗記する方法」です私達が漢字を覚える際には偏(へん)と旁(つくり)といった部首を意識して覚えました。これと同じ方法を英単語を学習する際にも行うのが語源暗記法です。例えば educateという単語の場合は3つの部分に分解する事が出来ます。

  • educate = ex(外へ)+duce(導くという意味を持つ)+ate(動詞を作る語尾) ⇒「本人の資質を外に導きだす行為」
もう一つ例を紹介します。単語はexportとimport、この例はより分かりやすいと思います。
  • export = ex(外へ)+port(運ぶという意味を持つ)⇒輸出する
  • import = im(中へ)+port(運ぶという意味を持つ)⇒輸入する
また、語源暗記法の副効用として見知らぬ単語を見た際におおよその意味を推測できるというものがあります。実際に私はeradicateやdeteriorateといった未知の単語の意味を推測することが出来ました。私がeradicateを推測した際には下記のように考えて、実際にその通りでした。
  • eradicate = ex(外へ)+radix(根っこという意味を持つ)+ate(動詞を作る語尾) ⇒根絶する
この語源暗記法を早いうちに習得したため、私は語彙判定で15,000語以上というNative English Speaker水準の語彙力を持つことが出来たのだと思います。この語源暗記法を一通り学んだ上で英語学習を行うと、闇雲に英単語を丸暗記するのと比べてはるかに効率的な方法で英語を吸収することが出来ると私は考えています。では次の記事にて具体的にどの参考書を使用して、どのように勉強するのかということを記します。

【発音】【補足】発音が完璧でないにも関わらず尊敬される英語

この記事は発音について学習する際に心に留めておいてほしいことについて記します。 日本人が英語を学習する際には「発音」は悩ましい問題です。そんな人達にとって福音となる実例、「発音が完璧でなくても尊敬される英語」があるということをこの記事ではお伝えします。私がInternshipの間に出会った二人の移民の話しを通じてこの事をお伝えします。一人はアラブArab系移民、Hakim。もう一人はAfricaのセネガルSenegalからの移民、Diop。両者共に英語は母語ではありません。そしてまた彼らはそれぞれ英語を20歳を越えてから本格的に学習したため、彼らが話す英語には独特の訛りがあります。

Arab系のHakimは20代後半以降に米国に移住してきたため、強いアラビア語Arabicの訛りがあります。元はComputer関係の技術者であり、Arabicと英語以外の言語をつくつか話すことができ、合計で5ヶ国語を話すことが出来るそうです。Hakimと初めて会って、彼の英語を聴いていて最も驚いたのは非常に教養ある語彙を使った英語を話すということです。Hakimは日常生活ではあまり使わない政治、法律に関わる用語を巧みに使いこなしていました。当然それらの英語はArab訛りなのですが、圧倒的な語彙に事務所にいた人々はみな驚いていました。私は自分よりも圧倒的に豊かな語彙を持つHakimに圧倒されました。そんなHakimは本業においても成功しており、Arab系移民の指導者的立場にありました。また、元が技術者であったため情報技術にも精通していました。彼は行動力もあり、話もとても面白い、そして人柄も良かったです。私は最初自分のMiddle Nameを探している際に彼の名前を貰おうかと思うくらいに感銘を受けました(ただ、明らかにArab系の名前をMiddle Nameにするのは抵抗があったので結局は辞めにしましたが)。何が言いたいかと言うと、彼は英語の発音の悪さなど圧倒するくらいの優れた教養、人柄があったためとても尊敬されていたということです。

もう一人はSenegalからの移民、Diop。彼もまたSenegal系移民の指導者的立場にありました。すでに米国に20年近く滞在しているため、米国人同様の英語力を持っていました。Diopも20歳を過ぎてから米国に来たため、彼の英語はSenegalの公用語であるFrenchと現地語のWolof訛りを持っていました。また、彼も合計5ヶ国語を話せる多言語話者でした。Diopは事務所で法律関係の業務を補佐していたため、裁判所で判事とやり取りをするのにも何の問題もなく対応できるくらいの英語力を持っていました。ここで補足説明をしますが、法律関係の英語は日常生活の英語よりもはるかに難しいです。TOEICで900点以上というような甘っちょろい英語力では鎧袖一触です。法律関係以外にも自分で商売の販路拡大に乗り出していて、Senegal系移民の指導者として非常に尊敬されていました。

さて本題に戻りますと、結局は「英語」は「意思疎通の道具」でしかないという事です。あなた自身がその道具を利用して何が出来るのかが大切だということです。あなたが語るべき内容を持っていれば、そして英語の発音が最低限理解可能な水準であれば人々はあなたの英語に耳を傾けます。そしてまた、あなた自身が尊敬される人であれば「発音が悪い」ことが、一層尊敬を高めることに役立ちます。すなわち、「発音が悪い」ということは「成人してから努力して英語を学習した証である」ということです。逆に「発音は完璧だけど、語彙が少ない人や語るべき内容がない人」は全く尊敬されません。完璧な英語を話す人なんて英語圏ではそこら中にいるからありがたみが全くないのです。

英語を学習する人に最も伝えたい事は「あなたは英語を使って何をしたいのですか、何が出来るのですか」という問いに明確に答える準備をしてほしいということです。「英語をペラペラに話したい」という事をよく日本では聞きました。しかし、これは手段と目的を取り違えていると言わざるを得ません。成人してから英語を学習する人は発音は理解可能な水準まで高めるだけで十分だと思います。完璧な発音を目指す必要は全くありません。発音を改善する代わりに、自分自身の価値を高めて英語で語るべき内容を持って下さい。繰り返しますが、語るべき内容があれば、また聞き手にとってその話しが有益なことであれば、人々はあなたの英語に耳を傾けます。そしてまた完璧でない英語も逆に「努力の証」として尊敬されるものとなります。この事はしっかりと心に留めておいて下さい。

それでも完璧な英語の発音を身に付けたいという人も中にはいるでしょう。そういう人には最も簡単に完璧な英語の発音を身につけることができる方法をお伝えします。その方法とは「自分の子供を英語で教育を受けさせる」という方法です。これが最も簡単な方法です。

「え、本当に?」と日本人の感覚だとそう思うからしれませんが、New Yorkではこれが当たり前の光景でした。親世代が移民として米国に移り、そこで苦労して働いて教育資金を稼ぐ。そして、そのお金で子供たちが米国で十分な教育を受ける。世代を超えた英語学習がそこにはありました。私が英語学習方法よりもずっと書きたいことは、米国で知ったこの移民たちの世代を超えた闘いです。豊かになるために、自分たちの世代だけが頑張るのではなく、子供たちの世代をも巻き込んで闘う。日本人からしたら賛否両論あると思いますが、彼らの豊かになりたいという強烈な生き様には圧倒されました。英語学習方法についての記事が終わった後に米国で出会った移民たちの生き様についての記事を書きます。

追記 関連記事の紹介

Hakimについての続編記事を書きました。私がこのblogで最も書きたかった記事の1つなので是非この記事に引き続き読んでください。また、「米国体験記」で公開している記事を紹介します。私が最も尊敬している米国人の1人、Michaelは移民2世です。もしあなたが外国に移住した場合、子供たちは彼のようになれるかもしれません。世代を越えた移民達の闘いに興味のある人は引き続き以下の記事も読んでみてください。これらは「米国体験記」で特に人気のある記事です。

【発音】【補足】カタカナ和製英語の弊害

今回の記事はTwitter上に書いた際に、賛否両論まっぷたつの意見をもらいました。正直書こうかどうか迷いましたが、以下の人たちのためにあえてこの記事を書きます。私は以下の人たちの立場から今回の記事を書きます。この点をまずは御理解下さい。
  1. 英語を学習する日本人
  2. 日本語を学習する外国人
  3. カタカナ語辞書を所持している私の親世代
カタカナ和製英語は様々な点から不利益をもたらしていると私は考えております。まず1番目の「英語を学習する日本人」の立場から述べます。あなたは下記の単語を正確に発音できますでしょうか。
  • 「パープルPurple」「バードBird」「シップship」「ベテランveteran」「バニラvanilla」「イミグラントImmigrant」「フィフスFifth」
これらの単語はカタカナで表記した音と英語の発音では全く異なります。ここで紹介している英単語は私が実際に上手く発音できずに苦労した英単語です。以前の記事、【発音】英語の音と日本語の音は全く違うでも紹介しましたが英語と日本語では全く音が違います。そして全く違う音であるにも関わらず、日本語では英語をカタカナに置き換えて対応しています。この置き換えられたカタカナ英語が日本人が正確な英単語の発音を学ぶ際の弊害になっていると思います。特に「RとL」「BとV」「SとSh」「母音と子音」の音の違いに私は苦しみました。その時に私が思ったことは「最初に誤った音をカタカナ英語で学ばなければ、もっと英語習得が楽だったのに…、同じ言葉を2回に分けて理解するという二度手間がなかったのに…」ということです。

もう一つ別の視点から弊害の例を上げると、「クラウド」と言われてCrowdなのかCloudなのか即座に判断することができますか。どちらの単語になるのかは文脈から判断せざるを得ません。CrowdとCloudでは全く音が違います。こういった例が他にも無数にあります。これが日本人の誤った発音や英単語の認識を生み出す土壌になります。以上の理由から、日本語以外に英語も使う日本人にとってはカタカナ英語は害をもたらすものであると私は考えています。

次に2番目の「日本語を学習する外国人」の立場からの弊害について書きます。特に私は日本語を学習するNative English Speakerと親交があったので、彼らの視点から記します。日本人にとって英語の音が全く馴染みがないように、Native English Speakerにとっても日本語の音は馴染みがないものです。

例えば日本に2年間住んでいたカナダ人Canadianの女性は「サンクス」という単語が”Thanks”を表す単語であることに私が指摘するまで気付かなかったです。また、最初に私が並べた一連のカタカナ英語は彼らにとってはEnglishとは全く別の言語です。だから彼らはカタカナ英語を一から学ぶ必要があります。もしカタカナ英語がアルファベットAlphabetで最初から表記されていれば、彼らもカタカナ英語を一から覚えるという事をしなくて良いのにと私は思います。カタカナ英語は外国人が日本語を学ぶ際の重荷になっています。

最後に「カタカナ語辞書を所持している私の親世代」の立場からの弊害を書きます。なぜ英語をそのままカタカナにするのでしょうか。そして、日本語に翻訳できる、日本語で書ける用語をなぜわざわざカタカナ英語で表記するのでしょうか。

  • 「トピックTopic」「アジェンダAgenda」「イシューIssue」
例えば上記の単語などはあえてカタカナ英語で表記する意味はあるのでしょうか。それぞれ「話題」「議題」「問題」と日本語で表現は出来ないのでしょうか。英語に親しみのない私の親の世代は、そういったカタカナ英語が理解できないということを私は知っています。特にコンピューターComputer関連の用語で苦労しているのを私は知っています。例えば「ログインlog in」と言われても何の事か私の両親は最初全く理解出来ませんでした。Log inは「開始」と翻訳すれば、英語に詳しくない親世代も苦労なく理解できるのになとその時は思いました。日本語は多様な表現力があるのだから、日本語で表現できるものは日本語で表現すれば良い。そうすれば私の親世代もちゃんとその概念を理解できると思います。

ではこれら問題点を踏まえた上で、英語学習者に私からの提言をします。強制はしませんが、できれば共感して協力していただけると嬉しいです。以下、カタカナ英語の害悪に気付いた人が取るべき行動3か条です。
  1. カタカナ英語は使わない。代わりに対応する日本語を使う。(例)アジェンダAgenda→議題
  2. 西洋の概念や科学技術を紹介したい場合は英語で表記する、つまりAlphabetをそのまま使う。そして、翻訳が必要な場合はAlphabetの後ろに日本語訳を付ける。(書き方の例)Immigration(入国・移民)
  3. カタカナ英語を使わざるを得ない場合はAlphabetを併記する。これは誤った音を覚えるのを防ぐためです。もし併記できない場合は最低限自分自身は元のAlphabetを把握するようにしましょう。カタカナ英語をそのまま暗記するような真似だけはしてはいけません。
現在これほどまでに広まってしまったカタカナ英語を一度に無くせというのは無理なのは承知しています。しかし、私が最初に述べた3つの集団の人達のためにもカタカナ英語は徐々に無くすべしというのが私の主張です。なお、私の文章は基本的に全て上記3か条を踏まえた上で書かれています。

【発音】Phonics お勧めの発音学習方法

Phonicsとは英語を母国語とする子供たちが学ぶつづり字と発音の関係を示したRuleです。Alphabetには一定の読み書きRuleがあり、このRule学習のおかげでNativeの子供たちはすんなりと『音声→文字』、つまり耳から入ってきた音を文字へ変換することが出来ます。

英語の音を聞いて、それを正確なSpellで書き留められますか。または、英単語を見てちゃんとした発音が出来ますか。これらをできるようになるための手法がPhonicsです。Phonicsは児童英語の世界では有名な学習手法らしいです。しかし、私は去年までその存在を知りませんでした。偶然Web巡回をしている最中に見かけて、Twitterでつらつらとそのことについて書いていたらFollowerの方から書籍を紹介してもらってその存在を知りました。Phonicsは当時「英語耳」で感じていた「発音記号を見ないと発音の仕方が分からない」という欠点を補う学習方法であると思い、私はそれ以来英語耳ではなくPhonicsを優先して学習するようになりました。

以前Twitter上で、英語の先生になりたい方や専門家の方の間では「発音記号の方がPhonicsよりも優れている」という言説を見ました。しかし、面倒な発音記号を理解することなく英語の発音を理解できるPhonicsの方が英語の専門家でない私にとっては有用な手法であると思いました。理由は手間が少なく簡単だからです。理想としては発音記号を理解した上でPhonicsをした方が良いと思います。しかし、時間のない方や英語をあくまで何かをするための手段として学んでいる方には私はPhonicsで十分だと思います。英語耳とPhonicsのどちらか一つだけ勧めるのであれば、私は後者のPhonicsをお勧めします。以前に記事「第2言語としての英語。第2言語という考え方」で書きましたが、まずは完璧主義を捨てて理解可能な水準UnderstandableをPhonicsで目指すのが賢明だと思います。ここで、All aboutにあったPhonicsについての記事を紹介します。

PhonicsではAlphabetを読む際にA(ア)、B(ブ)、C(ク)、D(ドゥッ)、E(エ)と発音をします。普通にABCを読むのと全然違うと思いますが、実際に英単語を読む際にはこのPhonicsの規則が適応されます。このPhonics読みはとても役に立ちます。例えば、初見の英単語でも発音記号を確認する事なく読むことができます。

次に紹介する参考書で私はPhonicsを学習しました。これら参考書は学習しやすい工夫がされているので「英語耳」ほど学習は苦痛じゃなかったです。とても良い参考書だと私は思います。

  1. フォニックス“発音”トレーニングBook (アスカカルチャー)
  2. 実践フォニックス“会話”トレーニングBOOK (アスカカルチャー)

私の英語はまだまだ日本人の訛りがありますが、これら「英語耳」と「Phonics」のおかげで十分に理解される水準Understandableな水準に到達することが出来ました。発音の勉強のおかげだけではありませんが、結果的にListeningもTOEICでほぼ満点(490点/495点満点)を取得しました。この点数は発音の勉強無しでは到達不可能だったと思います。また、これら学習をしたおかげで日本人特有の「カタカナ英語」から脱することが出来ました。カタカナ英語は別に使うなとは言われません。でも、Native English Speakerの間では揶揄の対象であることは間違いないので使わない方が良いです。ですから、英語を学習している日本人は英語耳かPhonicsのどちらかを必ず学習すべきだと私は考えています。

  • 追記

発音がちゃんと出来ているのかどうかはNative English Speakerに確認をしてもらった方が良いです。私は英会話学校の教師や米国人の友人に確認をしてもらいました。ship、bird、Thursdayがちゃんと出来ていないとそこで指摘されました。そしてNew York Cityでよく見かけるsquirrelについてちゃんと発音ができるようになればあなたの発音は一人前です。

また、Google音声認識を使って自分の発音を確認する面白い方法もあります。面白い記事を見つけましたので、下記記事も続けて読んでみて下さい。

【発音】英語耳 発音記号を学ぶ

英語の発音方法を学ぶ方法を私は2種類知っています。まずは「発音記号」から習得する方法から記します。発音記号から学ぶ方法では「英語耳」という手法が有名です。この方法は小説版「ドラゴン桜」でも紹介されていました。

英語耳は他にもたくさんの参考書がありますので、好きな参考書を選んで下さい。私は当時TOEICの勉強をしていたため闘耳 発音でTOEICテストのリスニングを攻略するを選びました。この本は後半のTOEIC対策部分は別にやらなくても良いので、前半の発音記号について絞って学習することをお勧めします。英語耳の学習を通じて、英語にどのような音があるのか、そして発音記号について一通り学習することが出来ます。発音について真剣に学びたい方にはとても有益な本だと思います。

ここで注意したいのは、この本の英語耳をやり遂げるには非常に地味な学習をしなければなりません。ですから「この本の内容はとても大切な内容なんだ!」と自分に言い聞かせて読破して下さい。私は逃げ場のない通勤時間を利用してこの本を2周しました。単調な勉強だったのでけっこう辛かったです。でもおかげで発音記号は読めるようになったので、辛い勉強をした甲斐はあったと思います。

ただし英語耳で学習した内容には欠点があります。それは「発音記号を見ないと発音の仕方が分からない」ということです。つまり、「発音が分からない単語は都度辞書を引く必要がある」「手元に辞書が無いと発音記号が分からない。」ということです。私は英語耳で発音記号を学びましたが、この点が不満で何か別の勉強方法は無いかと探していました。そんな時に出会ったのが「Phonics(フォニックス)」という手法です。次の記事ではこのPhonicsについて紹介します。