この記事は「ビジネス・ツイッター 世界の企業を変えた140文字の会話メディア」の「第2部 企業はどのようにしてツイッターの利用に成功したか」を読んだ際に私が書き留めたメモを整理して公開しています。つまり、私の勉強記録です。また、この記事の内容に興味がある人は「ビジネス・ツイッター 世界の企業を変えた140文字の会話メディア」を手に取って読んでみて下さい。
本書はTwitter User、そしてまたSales、Marketingに関わった私には本当に面白く感じました。Twitterを使った販促活動に興味がある人達にとっては必読の本です。
補足 文中になる空、雨、傘という単語は問題解決のために必要な分類方法です。詳細は下記の過去記事を参考にしてください。
- 第2部 企業はどのようにしてツイッターの利用に成功したか
金曜日にビデオをアップロードしたまま、ソーシャルメディア担当者は週末の休みに入ってしまった。そしてビデオがターゲットにしていた顧客層はその週末中、侮辱されたという怒りの会話を交わしていたのだ。ところがマークニールでは誰ひとり、それを聞いていなかった。【ビジツイ118頁】雨
ただし、「ひとたび相手が自分の声に耳を傾けており、謝罪の気持ちがあることがわかれば、怒りが和らぐ」ものなのだ。【ビジツイ118頁】雨
われわれはここで重要な教訓を得る。会社の評判が危機に瀕するような事態が起きたら、その情報は必ずソーシャルメディアに漏れる。しかし会社の評判がかかるような危機が起きる前にツイッターに加わり、あらかじめ信頼性を確率しておくのはきわめて賢明な戦略と言えるだろう。【ビジツイ128頁】傘
- 第6章 ツイッター・マーケティング
きわめて個人に密着したパーソナルなツールであるため、ツイッターが一番効果的な反マス・マーケティングの手法であることが証明された。【ビジツイ136頁】雨
現在、多数の企業がツイッターに殺到している。大きな傾向として、ツイッターは企業ブランドそのものよりも、企業を代表する個人のブランドをいっそう重要なものにした。【ビジツイ136頁】雨
ツイッターは、何度も繰り返すが、会話である。またこれはきわめて個人的色彩が強い。ツイッターのコミュニティで重要なのは、個人の信頼性だ。これは従来のマス・マーケティングで企業のブランドに最大の価値があったのと対称的である。【ビジツイ136頁】雨
ツイッターでのマーケティングはマス・マーケティングに比べて思いやりがあり、穏やかなアプローチが取られることが多い。そして成功例を検討すると、単なるロゴを押し付けるのではなく、生きた人間との会話が大きな要因となっている。【ビジツイ137頁】雨
- 第7章 世界企業が地域に密着
シェは即座にツイッターの利点を見抜いた。メールや、電話はもちろん、各種のソーシャルメディア・プラットフォームに比べても、ツイッターを使う方が自分にとって重要な人間とずっと密接な接触が保てる。シュは、ツイッターを使って自分が友達とより密接な関係が作れるのなら、ザッポス(企業名です)が顧客とより密接な関係を作るのにも使えるのではないかと気付いた。【ビジツイ142頁】傘
最初、ツイッターは社員の時間を無駄にしているのではないかと感じる顧客もいる。しかし少し考えてみれば、ツイッターでの「無駄話」は、店の売り場で担当者が「どうです、いいお天気ですね」とあいさつするのと同じことだと分かる。【ビジツイ143頁】雨
ツイッターは企業文化を社内に確立する手助けをするだけでなく、外部の顧客をその文化に巻き込む役割も果たす。【ビジツイ143頁】雨
ザッポスは販売員が顧客とほぼ100%、対面することのない通販企業である。にもかかわらず、ツイッターは一度も顔を合わせたことのない社員と顧客が個人的信頼を結ぶために大いに役立っている。【ビジツイ144頁】傘
H&Rブロックも当初、ツイッターはメッセージを広く放送するツールと考えていた。「それは間違いでした。私たちは告知メッセージを投稿してそのまま放っておきました。しかしそれには何の反応もありませんでした。」【ビジツイ146頁】空
→あるある。広告ばっかり投稿している企業AccountはTwitterの本質を何も理解していない。
しばらくしてH&Rブロックは、しゃべるよりも聞くことに力を入れることにした。【中略】「耳を澄ませているだけでオンライン戦略についても大いに学ぶことができました」とドラムは言う。【ビジツイ147頁】雨
「ツイッターは一方的に大量のメッセージを流すためのメディアではないことを忘れてはなりません。ツイッターはテレビ広告とは違い、膨大な視聴者にメッセージを流すことはできません。ツイッターの他で得られない黄金の機能は人々が私たちのブランドについて何と言い、どう考えているかを直接に知る機会をていきょうしてくれるところにあります。」【ビジツイ149頁】傘
ヘンリー・フォード病院はその後3回、ツイッターによる手術の実況中継を行っている。そのうちの1回は患者がはっきり意識がある状態で行われた開頭手術だった。ヘンリー・フォード病院はさらに手術のビデオと写真をユーチューブにアップロードした。フェリスによればこうした試みの最終的な目的は「患者本人はもとより、大切な人が手術を受ける関係者すべてにより詳しい情報を提供して、手術を人間味あるものにすること」だという。【ビジツイ152頁】傘
「医療関連産業もすぐれた人材の募集や信頼されるブランドの確立といった必要性に迫られています。医療産業もビジネスである以上、こうした点は他の分野の産業と同様なのです」とフェリスは言った。【ビジツイ152頁】傘
簡単にいえば、ツイッターで手術を実況中継するのはビジネス的にもメリットがあるということだ。ヘンリー・フォード病院の手術の実況中継は当然ながらまずツイッターで評判になり、次いで一般メディアでも取り上げられた。【ビジツイ152頁】傘
食器の水切りカゴほど興味がわかないテーマも少ないだろう。そんなテーマで熱心にツイッターを利用している人々がいようとは、もちろん私は想像もしなかった。【ビジツイ156頁】空
ツイッターなどのソーシャルメディアで最大の影響力を勝ち取るのは、一番声の大きいメンバーではなく、他のメンバーに一番大きな恩恵を与えたメンバーだ。【ビジツイ159頁】雨
ダイツェルはまたツイッター・コミュニティの互恵的な性格も学んだ。ダイツェルが車庫の改修についてブログ記事を書いたところ、いくつか提案が寄せられた。たいていの人はこうしたことで知恵を貸すことを求められるのを喜ぶらしい。【ビジツイ160頁】雨
ツイッターの企業アカウントを調べてみると、3分の2は匿名ではなく担当者自身のアカウントになっている。これは私も推薦するアプローチだ。【ビジツイ166頁】雨
- 第8章 魔法使いに会いに行く
大半の企業が担当者が匿名でつぶやくアプローチを取っている。私としてはどんな場合でも、ただのロゴより生身の人間を相手する方がいい。コーラの缶などに話しかけても面白くないと思う。【ビジツイ168頁】雨
企業のブランドイメージの改善にツイッターを使うなら、現実の担当者の名前と顔を表に出して参加させるのがもっとも効果的だと私は考えている。そうしなければ企業イメージに本当に人間味を加えることはできないだろう。【ビジツイ174頁】傘
担当者の名前を出さずに企業のロゴ・アカウントでツイッターをすることの利点。1.個人よりも会社名の方が権威がある 2.Tweet内容の公私のけじめがつく 3.担当者が代わっても継続することが出来る。【ビジツイ177頁】傘
重要なことは、企業のツイッター担当者のアイデンティティを明らかにすれば、つぶやきにもっと個性を出せるという点だ。たとえばツイッター以外にどんな業務をしているかなども話せるだろう。【ビジツイ178頁】傘
アーズは医師がツイッターを使って患者とコミュニケーションを図るだけでなく、ダイレクトメッセージ機能を利用して無料の医療上の助言を行うことが許されるべきだと主張するグループのリーダー格でもある。ツイッターを通じて診療が出来れば、医療従業者と患者の双方が、時間と費用を節約することが出来る。【ビジツイ190頁】傘
「企業アカウントの書き手のアイデンティティの問題はブログよりもツイッターの場合の方が重要です。多数のユーザーが1つの企業アカウントからいっしょくたにつぶやいているのは好きではありません。誰がつぶやいているのかさっぱりわからないからです。企業の顔のない声になってしまい、個性が出ません」「そうしたやり方はツイッターの力を生かすものではないと私は思います。あくびが出るような退屈なものになりがちです」【ビジツイ193頁】雨
→ 朝日新聞アカウントや大手メディアのアカウントの事か!確かにあれらのアカウントはまったく個性がなくて、Twitterの特性を全然活かしていないなと思う。Newsやblog更新情報を流し続けるだけで担当者の個性が全く分からないTwitter Accountは読んでいて面白くない。RSSと同等程度の価値しか私にとってはない。
企業ツイッターのユーザーは、顧客の声を聞くこと、つぶやきの書き手を明らかにすることの重要性に急速に気付きつつある。【ビジツイ193頁】雨
- 第9章 B2B利用でもやはり人が重要
まだ多くの人々が、フォード・モーターがパーツメーカーや販売店とやり取りするような企業間取引(B2B)でツイッターを利用するのは軽薄な手段だと考えているらしい。「そんな他愛ないおしゃべりに費やす時間はない」といった理由が続く。【ビジツイ195頁】雨
現実の商談はほとんどの場合、軽い世間話から始まるのだ。いきなり「今日は何を買うんですか?」と尋ねるより、「先週の週末はどうしてました?」というような一言から始める方が、相手との関係を親密にするのに役立つ。(ツイッターがこの点で役に立つ)【ビジツイ195頁】雨
企業間取引、B2Bの分野でもエンドユーザー向けの場合に劣らず、様々な分野で多数のツイッター活用の成功例があることが分かった。【ビジツイ195頁】雨
IBMは世界最大のコンピューター企業だ。そして最も積極的に「つぶやいている」会社だろう。2009年2月現在、IBMには1000人を超えるツイッター・ユーザーがいる。しかもその数は着実に増加中だ。【ビジツイ196頁】空
IBMはエンドユーザー向けの製品を事実上何一つ売っていない。だがIBM社員は毎日ツイッター上で何千という会話を繰り広げている。【ビジツイ196頁】空
実は、IBM本社では、特にツイッターの利用を管理していない。IBMでは誰が、いつ、何をつぶやくかを会社としてコントールしてはいない。つまり、ツイッターの利用を直接管理するIBMの公式ルールといったものは一切ないのだ。(勤務時間中に)社員は自分の望むままに、誰とでも自由に会話できる。話題にも制限はないし、誰をフォローするのも自由だ。【ビジツイ196頁】空
IBMは、このようなツイッターの利用にきわめて満足している。ツイッターは時間の節約になる。社員と顧客の関係を緊密化する。全体として、IBMの行動をより効果的にする。【ビジツイ196頁】傘
IBMでは、「わが社への外部の理解を深めるには、本社の奥にいる少数の担当者よりも、多くの一般社員が自分の仕事についてつぶやいた方が効果的だ」と考えている。「われわれはひとにぎりのロックスターを育てて、IBMを代弁させるつもりはありません」【ビジツイ198頁】傘
TwitterのFollowerさんに教えてもらった日本のIT業界のひどい現状→先日、セミナーで住信の伊藤さんがIT関係者にIpad持っている人会場に数人、ツイッターは1割くらい、質問で、内部統制でPC持ち出せない、家庭のPC会社につながないどうしたら?と質問したこの国のITベンダーの社員、悲しい現実。
「ツイッターを利用したネットワークの方が、従来からの会社の公式コミュニケーション・システムを利用したネットワークよりも信頼度が高い。また一方で、ツイッターの普及によって、1000人以上の社員が、いわば社内版の市民ジャーナリストになり、部内情報をイントラネットや社内ブログよりも素早く効果的に伝達するようになった」【ビジツイ199頁】傘
ツイッターによるIBMへの最大の貢献は、「クラウドソーシング」効果だという。「ツイッターは社員を賢くしました。本質的に見ると、IBMはそれぞれの分野で専門家であることによって、給料を得ている社員の集団です。社員が同僚から、また外部の人達から学ぶ能力が改善されるのはきわめて大きな積極的インパクトをもたらします。ツイッターは相手がどこの会社に所属していようと、一般社員だろうと幹部だろうと、誰であれ友好関係を作り、学ぶべきことを学ぶために最良のプラットフォームです」【ビジツイ199頁】傘
→こういう風に考えると、全社員にTwitterを使うように指示したソフトバンクは凄い。Twitterを活用した組織改革はソフトバンクではもうすでに始まっているのかな。
「ツイッターは教育ツールとしてもすごく役に立ちます。マーケティングについて学びたかったら、誰かその分野のプロをフォローすればいいんです。専業主婦の生活について知りたければそういう人をフォローすればいい。」【ビジツイ203頁】傘
ユナイテッド・リネンはもっぱら地域の顧客を相手にする企業だが、ツイッターを利用することで、ソーシャルメディアを利用したマーケティングのアイデアや関連する情報テクノロジーの最新情報を世界中の人々から学ぶことができるようになった。【ビジツイ203頁】傘
「ツイッターは新たなグーグルですね」【ビジツイ214頁】雨
同社(レッドモンク社)は求人情報をツイッターを通じて公開し、ツイッターを通じて応募してきた候補者をツイッターを通じて採用した。またこの世界的に活動するミニ企業は、ツイッターを通じて子会社を作った。【ビジツイ214頁】傘
ツイッターの本質はコミュニティなので、求人、求職のマーケットとしても有効だと思う。(中略)ツイッターならあなたの知っている人が、その人の知っている人を推薦してくれる。現実世界でも、職探しで一番成功率が高いのは個人的推薦であることはよく知られている。ツイッターはこの個人的推薦をオンライン化するのに最適のプラットフォームだ。【ビジツイ215頁】傘
- 第10章 スモールビジネスが脚光を浴びる
ツイッターを従来のマスメディアと同じようにマーケティングに使おうとする企業には、「ツイッターをブランド名の周知にだけ使おうとする会社は必ず失敗する。ツイッターは従来型の一方通行のメディアと同じように扱ってもうまくいきません」と警告する。【ビジツイ223頁】傘
誰かが情熱を込めて目的を追求し、それに共感する人間がある程度増えると、自然にコミュニティが形成される。そしてコミュニティがある規模まで成長すると、驚くべきことに、収益化の道筋がちゃんと現れてくるのだ。(続く 続き)これがグーグルに起きたことであり、現在ツイッターやフェイスブックなどに起きつつある現象だ。これが「いいものを作れば客は自然に集まってくる」というシリコンバレー特有のアプローチで、伝統的なビジネス理論化にはなかなか受け入れられない考えだろう。【ビジツイ244頁】傘
ブランド化は、対象のコモデティ化(価値の低い一般商品化)とはまったく逆である。ブランド化はあらゆる面での差別化を意味する。(中略)個人のブランド化は、企業ブランドの人間化に密接な関係がある。われわれは抽象的な企業ブランドよりも、むしろその企業で実際に働いている生身の人間にいっそう興味をもつようになった。【ビジツイ246頁】空
これから10年ほどの間に、広告とその受け手は全面的に新しいメディアに吸収されていくだろう。たった30秒のテレビCMを全国ネットワークで放送する料金で、莫大なウェブ広告を掲出できる。いずれは金を稼ぐ場所をインターネットに移さなければならないだろうとロングは予想している。【ビジツイ249頁】雨
ロングがTwitterや他のSNSで個人ブランドを確立しようと勤務時間外に努力を続けている理由もそこにある。独立しなければならない日が来たら、NBCで過去15年の間に培った経験を生かし、自分自身のブランドで新しいオンラインビジネスを始められるようにしようと考えている。【ビジツイ250頁】傘
ロングはオールドメディアの職で得た経験を、ツイッターで作った個人ブランドの上でビジネスに結びつけようとしている。同僚たちの多くが時代遅れの遺物となる危険にさらされているのに反して、ロングが成功を収める可能性は高い。【ビジツイ251頁】傘
Twitterなどのソーシャルメディアの世界では、そのコミュニティに対して最大の無償の貢献をした人物が、例外なく最大の影響力を持つことになる。【ビジツイ253頁】傘
メモ オイヤンがWikiを立ち上げる事例が面白い。
「私が現在やっている仕事は1つ残らず全部、ツイッターで知り合った人々から来ています。コンサルティングのクライアントはもちろんツイッター経由です。新しい仕事を私に頼もうとする人も、ツイッターで私をフォローしています。私の考えや得意分野をあらかじめ知っており、そのプロジェクトに私が最適任だとはっきり見極めてから依頼してくるわけです」とフィットンは言う。【ビジツイ260頁】傘
ベルモントの強みは、フォロワーとの間に生まれた個人としての人気だ。活動の全体が名声によって支えられているごく少数の人々にとっては、大いに強みとなるビジネスモデルである。【ビジツイ264頁】傘
ソーシャルメディアは多くの場合、マスメディアとは異なる働き方をする。ごく少数の賢明な人々は単に自分の才能に頼るばかりでなく、ソーシャルメディアを通じて自分の熱心なフォローワーのベースを作る。【ビジツイ264頁】傘
今やツイッターのユーザー名の方が、会社名より重要になる場面が増えている。逆に個人のブランドが、所属する会社のブランドに大きな影響を与えるようになった。【ビジツイ268頁】雨
企業ブランドを生かすのも殺すのも、所属する個人のブランドになりつつある。ソーシャルメディアは個人ブランドの影響力を強力に増幅する。この現象がどこよりも際立って、劇的にまた迅速に起こるのを見られるのがツイッターだ。【ビジツイ269頁】雨
賢明な企業は、所属する個人のブランドを表に出すことが企業ブランドへの興味と信頼を高める効果があることを理解し始めている。また、個人がたまたま1つの組織に属しているからといって、すべての話題において一枚岩のように意見が一致している必要などないことにも気付いている。企業ブランドというカーテンの陰に、現実の人間がいることを発見すると、ほとんどの人々は安心する。【ビジツイ269頁】雨