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【学習記録】ビジネス・ツイッター 第2部 企業はどのようにしてツイッターの利用に成功したか

この記事は「ビジネス・ツイッター 世界の企業を変えた140文字の会話メディア」の「第2部 企業はどのようにしてツイッターの利用に成功したか」を読んだ際に私が書き留めたメモを整理して公開しています。つまり、私の勉強記録です。また、この記事の内容に興味がある人は「ビジネス・ツイッター 世界の企業を変えた140文字の会話メディア」を手に取って読んでみて下さい。

本書はTwitter User、そしてまたSales、Marketingに関わった私には本当に面白く感じました。Twitterを使った販促活動に興味がある人達にとっては必読の本です。

補足 文中になる空、雨、傘という単語は問題解決のために必要な分類方法です。詳細は下記の過去記事を参考にしてください。

  • 第2部 企業はどのようにしてツイッターの利用に成功したか

金曜日にビデオをアップロードしたまま、ソーシャルメディア担当者は週末の休みに入ってしまった。そしてビデオがターゲットにしていた顧客層はその週末中、侮辱されたという怒りの会話を交わしていたのだ。ところがマークニールでは誰ひとり、それを聞いていなかった。【ビジツイ118頁】雨

ただし、「ひとたび相手が自分の声に耳を傾けており、謝罪の気持ちがあることがわかれば、怒りが和らぐ」ものなのだ。【ビジツイ118頁】雨

われわれはここで重要な教訓を得る。会社の評判が危機に瀕するような事態が起きたら、その情報は必ずソーシャルメディアに漏れる。しかし会社の評判がかかるような危機が起きる前にツイッターに加わり、あらかじめ信頼性を確率しておくのはきわめて賢明な戦略と言えるだろう。【ビジツイ128頁】傘

  • 第6章 ツイッター・マーケティング

きわめて個人に密着したパーソナルなツールであるため、ツイッターが一番効果的な反マス・マーケティングの手法であることが証明された。【ビジツイ136頁】雨

現在、多数の企業がツイッターに殺到している。大きな傾向として、ツイッターは企業ブランドそのものよりも、企業を代表する個人のブランドをいっそう重要なものにした。【ビジツイ136頁】雨

ツイッターは、何度も繰り返すが、会話である。またこれはきわめて個人的色彩が強い。ツイッターのコミュニティで重要なのは、個人の信頼性だ。これは従来のマス・マーケティングで企業のブランドに最大の価値があったのと対称的である。【ビジツイ136頁】雨

ツイッターでのマーケティングはマス・マーケティングに比べて思いやりがあり、穏やかなアプローチが取られることが多い。そして成功例を検討すると、単なるロゴを押し付けるのではなく、生きた人間との会話が大きな要因となっている。【ビジツイ137頁】雨

  • 第7章 世界企業が地域に密着

シェは即座にツイッターの利点を見抜いた。メールや、電話はもちろん、各種のソーシャルメディア・プラットフォームに比べても、ツイッターを使う方が自分にとって重要な人間とずっと密接な接触が保てる。シュは、ツイッターを使って自分が友達とより密接な関係が作れるのなら、ザッポス(企業名です)が顧客とより密接な関係を作るのにも使えるのではないかと気付いた。【ビジツイ142頁】傘

最初、ツイッターは社員の時間を無駄にしているのではないかと感じる顧客もいる。しかし少し考えてみれば、ツイッターでの「無駄話」は、店の売り場で担当者が「どうです、いいお天気ですね」とあいさつするのと同じことだと分かる。【ビジツイ143頁】雨

ツイッターは企業文化を社内に確立する手助けをするだけでなく、外部の顧客をその文化に巻き込む役割も果たす。【ビジツイ143頁】雨

ザッポスは販売員が顧客とほぼ100%、対面することのない通販企業である。にもかかわらず、ツイッターは一度も顔を合わせたことのない社員と顧客が個人的信頼を結ぶために大いに役立っている。【ビジツイ144頁】傘

H&Rブロックも当初、ツイッターはメッセージを広く放送するツールと考えていた。「それは間違いでした。私たちは告知メッセージを投稿してそのまま放っておきました。しかしそれには何の反応もありませんでした。」【ビジツイ146頁】空

→あるある。広告ばっかり投稿している企業AccountはTwitterの本質を何も理解していない。

しばらくしてH&Rブロックは、しゃべるよりも聞くことに力を入れることにした。【中略】「耳を澄ませているだけでオンライン戦略についても大いに学ぶことができました」とドラムは言う。【ビジツイ147頁】雨

「ツイッターは一方的に大量のメッセージを流すためのメディアではないことを忘れてはなりません。ツイッターはテレビ広告とは違い、膨大な視聴者にメッセージを流すことはできません。ツイッターの他で得られない黄金の機能は人々が私たちのブランドについて何と言い、どう考えているかを直接に知る機会をていきょうしてくれるところにあります。」【ビジツイ149頁】傘

ヘンリー・フォード病院はその後3回、ツイッターによる手術の実況中継を行っている。そのうちの1回は患者がはっきり意識がある状態で行われた開頭手術だった。ヘンリー・フォード病院はさらに手術のビデオと写真をユーチューブにアップロードした。フェリスによればこうした試みの最終的な目的は「患者本人はもとより、大切な人が手術を受ける関係者すべてにより詳しい情報を提供して、手術を人間味あるものにすること」だという。【ビジツイ152頁】傘

「医療関連産業もすぐれた人材の募集や信頼されるブランドの確立といった必要性に迫られています。医療産業もビジネスである以上、こうした点は他の分野の産業と同様なのです」とフェリスは言った。【ビジツイ152頁】傘

簡単にいえば、ツイッターで手術を実況中継するのはビジネス的にもメリットがあるということだ。ヘンリー・フォード病院の手術の実況中継は当然ながらまずツイッターで評判になり、次いで一般メディアでも取り上げられた。【ビジツイ152頁】傘

食器の水切りカゴほど興味がわかないテーマも少ないだろう。そんなテーマで熱心にツイッターを利用している人々がいようとは、もちろん私は想像もしなかった。【ビジツイ156頁】空

ツイッターなどのソーシャルメディアで最大の影響力を勝ち取るのは、一番声の大きいメンバーではなく、他のメンバーに一番大きな恩恵を与えたメンバーだ。【ビジツイ159頁】雨

ダイツェルはまたツイッター・コミュニティの互恵的な性格も学んだ。ダイツェルが車庫の改修についてブログ記事を書いたところ、いくつか提案が寄せられた。たいていの人はこうしたことで知恵を貸すことを求められるのを喜ぶらしい。【ビジツイ160頁】雨

ツイッターの企業アカウントを調べてみると、3分の2は匿名ではなく担当者自身のアカウントになっている。これは私も推薦するアプローチだ。【ビジツイ166頁】雨

  • 第8章 魔法使いに会いに行く

大半の企業が担当者が匿名でつぶやくアプローチを取っている。私としてはどんな場合でも、ただのロゴより生身の人間を相手する方がいい。コーラの缶などに話しかけても面白くないと思う。【ビジツイ168頁】雨

企業のブランドイメージの改善にツイッターを使うなら、現実の担当者の名前と顔を表に出して参加させるのがもっとも効果的だと私は考えている。そうしなければ企業イメージに本当に人間味を加えることはできないだろう。【ビジツイ174頁】傘

担当者の名前を出さずに企業のロゴ・アカウントでツイッターをすることの利点。1.個人よりも会社名の方が権威がある 2.Tweet内容の公私のけじめがつく 3.担当者が代わっても継続することが出来る。【ビジツイ177頁】傘

重要なことは、企業のツイッター担当者のアイデンティティを明らかにすれば、つぶやきにもっと個性を出せるという点だ。たとえばツイッター以外にどんな業務をしているかなども話せるだろう。【ビジツイ178頁】傘

アーズは医師がツイッターを使って患者とコミュニケーションを図るだけでなく、ダイレクトメッセージ機能を利用して無料の医療上の助言を行うことが許されるべきだと主張するグループのリーダー格でもある。ツイッターを通じて診療が出来れば、医療従業者と患者の双方が、時間と費用を節約することが出来る。【ビジツイ190頁】傘

「企業アカウントの書き手のアイデンティティの問題はブログよりもツイッターの場合の方が重要です。多数のユーザーが1つの企業アカウントからいっしょくたにつぶやいているのは好きではありません。誰がつぶやいているのかさっぱりわからないからです。企業の顔のない声になってしまい、個性が出ません」「そうしたやり方はツイッターの力を生かすものではないと私は思います。あくびが出るような退屈なものになりがちです」【ビジツイ193頁】雨

→ 朝日新聞アカウントや大手メディアのアカウントの事か!確かにあれらのアカウントはまったく個性がなくて、Twitterの特性を全然活かしていないなと思う。Newsやblog更新情報を流し続けるだけで担当者の個性が全く分からないTwitter Accountは読んでいて面白くない。RSSと同等程度の価値しか私にとってはない。

企業ツイッターのユーザーは、顧客の声を聞くこと、つぶやきの書き手を明らかにすることの重要性に急速に気付きつつある。【ビジツイ193頁】雨

  • 第9章 B2B利用でもやはり人が重要

まだ多くの人々が、フォード・モーターがパーツメーカーや販売店とやり取りするような企業間取引(B2B)でツイッターを利用するのは軽薄な手段だと考えているらしい。「そんな他愛ないおしゃべりに費やす時間はない」といった理由が続く。【ビジツイ195頁】雨

現実の商談はほとんどの場合、軽い世間話から始まるのだ。いきなり「今日は何を買うんですか?」と尋ねるより、「先週の週末はどうしてました?」というような一言から始める方が、相手との関係を親密にするのに役立つ。(ツイッターがこの点で役に立つ)【ビジツイ195頁】雨

企業間取引、B2Bの分野でもエンドユーザー向けの場合に劣らず、様々な分野で多数のツイッター活用の成功例があることが分かった。【ビジツイ195頁】雨

IBMは世界最大のコンピューター企業だ。そして最も積極的に「つぶやいている」会社だろう。2009年2月現在、IBMには1000人を超えるツイッター・ユーザーがいる。しかもその数は着実に増加中だ。【ビジツイ196頁】空

IBMはエンドユーザー向けの製品を事実上何一つ売っていない。だがIBM社員は毎日ツイッター上で何千という会話を繰り広げている。【ビジツイ196頁】空

実は、IBM本社では、特にツイッターの利用を管理していない。IBMでは誰が、いつ、何をつぶやくかを会社としてコントールしてはいない。つまり、ツイッターの利用を直接管理するIBMの公式ルールといったものは一切ないのだ。(勤務時間中に)社員は自分の望むままに、誰とでも自由に会話できる。話題にも制限はないし、誰をフォローするのも自由だ。【ビジツイ196頁】空

IBMは、このようなツイッターの利用にきわめて満足している。ツイッターは時間の節約になる。社員と顧客の関係を緊密化する。全体として、IBMの行動をより効果的にする。【ビジツイ196頁】傘

IBMでは、「わが社への外部の理解を深めるには、本社の奥にいる少数の担当者よりも、多くの一般社員が自分の仕事についてつぶやいた方が効果的だ」と考えている。「われわれはひとにぎりのロックスターを育てて、IBMを代弁させるつもりはありません」【ビジツイ198頁】傘

TwitterのFollowerさんに教えてもらった日本のIT業界のひどい現状→先日、セミナーで住信の伊藤さんがIT関係者にIpad持っている人会場に数人、ツイッターは1割くらい、質問で、内部統制でPC持ち出せない、家庭のPC会社につながないどうしたら?と質問したこの国のITベンダーの社員、悲しい現実。

「ツイッターを利用したネットワークの方が、従来からの会社の公式コミュニケーション・システムを利用したネットワークよりも信頼度が高い。また一方で、ツイッターの普及によって、1000人以上の社員が、いわば社内版の市民ジャーナリストになり、部内情報をイントラネットや社内ブログよりも素早く効果的に伝達するようになった」【ビジツイ199頁】傘

ツイッターによるIBMへの最大の貢献は、「クラウドソーシング」効果だという。「ツイッターは社員を賢くしました。本質的に見ると、IBMはそれぞれの分野で専門家であることによって、給料を得ている社員の集団です。社員が同僚から、また外部の人達から学ぶ能力が改善されるのはきわめて大きな積極的インパクトをもたらします。ツイッターは相手がどこの会社に所属していようと、一般社員だろうと幹部だろうと、誰であれ友好関係を作り、学ぶべきことを学ぶために最良のプラットフォームです」【ビジツイ199頁】傘

→こういう風に考えると、全社員にTwitterを使うように指示したソフトバンクは凄い。Twitterを活用した組織改革はソフトバンクではもうすでに始まっているのかな。

「ツイッターは教育ツールとしてもすごく役に立ちます。マーケティングについて学びたかったら、誰かその分野のプロをフォローすればいいんです。専業主婦の生活について知りたければそういう人をフォローすればいい。」【ビジツイ203頁】傘

ユナイテッド・リネンはもっぱら地域の顧客を相手にする企業だが、ツイッターを利用することで、ソーシャルメディアを利用したマーケティングのアイデアや関連する情報テクノロジーの最新情報を世界中の人々から学ぶことができるようになった。【ビジツイ203頁】傘

「ツイッターは新たなグーグルですね」【ビジツイ214頁】雨

同社(レッドモンク社)は求人情報をツイッターを通じて公開し、ツイッターを通じて応募してきた候補者をツイッターを通じて採用した。またこの世界的に活動するミニ企業は、ツイッターを通じて子会社を作った。【ビジツイ214頁】傘

ツイッターの本質はコミュニティなので、求人、求職のマーケットとしても有効だと思う。(中略)ツイッターならあなたの知っている人が、その人の知っている人を推薦してくれる。現実世界でも、職探しで一番成功率が高いのは個人的推薦であることはよく知られている。ツイッターはこの個人的推薦をオンライン化するのに最適のプラットフォームだ。【ビジツイ215頁】傘

  • 第10章 スモールビジネスが脚光を浴びる

ツイッターを従来のマスメディアと同じようにマーケティングに使おうとする企業には、「ツイッターをブランド名の周知にだけ使おうとする会社は必ず失敗する。ツイッターは従来型の一方通行のメディアと同じように扱ってもうまくいきません」と警告する。【ビジツイ223頁】傘

誰かが情熱を込めて目的を追求し、それに共感する人間がある程度増えると、自然にコミュニティが形成される。そしてコミュニティがある規模まで成長すると、驚くべきことに、収益化の道筋がちゃんと現れてくるのだ。(続く 続き)これがグーグルに起きたことであり、現在ツイッターやフェイスブックなどに起きつつある現象だ。これが「いいものを作れば客は自然に集まってくる」というシリコンバレー特有のアプローチで、伝統的なビジネス理論化にはなかなか受け入れられない考えだろう。【ビジツイ244頁】傘

ブランド化は、対象のコモデティ化(価値の低い一般商品化)とはまったく逆である。ブランド化はあらゆる面での差別化を意味する。(中略)個人のブランド化は、企業ブランドの人間化に密接な関係がある。われわれは抽象的な企業ブランドよりも、むしろその企業で実際に働いている生身の人間にいっそう興味をもつようになった。【ビジツイ246頁】空

これから10年ほどの間に、広告とその受け手は全面的に新しいメディアに吸収されていくだろう。たった30秒のテレビCMを全国ネットワークで放送する料金で、莫大なウェブ広告を掲出できる。いずれは金を稼ぐ場所をインターネットに移さなければならないだろうとロングは予想している。【ビジツイ249頁】雨

ロングがTwitterや他のSNSで個人ブランドを確立しようと勤務時間外に努力を続けている理由もそこにある。独立しなければならない日が来たら、NBCで過去15年の間に培った経験を生かし、自分自身のブランドで新しいオンラインビジネスを始められるようにしようと考えている。【ビジツイ250頁】傘

ロングはオールドメディアの職で得た経験を、ツイッターで作った個人ブランドの上でビジネスに結びつけようとしている。同僚たちの多くが時代遅れの遺物となる危険にさらされているのに反して、ロングが成功を収める可能性は高い。【ビジツイ251頁】傘

Twitterなどのソーシャルメディアの世界では、そのコミュニティに対して最大の無償の貢献をした人物が、例外なく最大の影響力を持つことになる。【ビジツイ253頁】傘

メモ オイヤンがWikiを立ち上げる事例が面白い。

「私が現在やっている仕事は1つ残らず全部、ツイッターで知り合った人々から来ています。コンサルティングのクライアントはもちろんツイッター経由です。新しい仕事を私に頼もうとする人も、ツイッターで私をフォローしています。私の考えや得意分野をあらかじめ知っており、そのプロジェクトに私が最適任だとはっきり見極めてから依頼してくるわけです」とフィットンは言う。【ビジツイ260頁】傘

ベルモントの強みは、フォロワーとの間に生まれた個人としての人気だ。活動の全体が名声によって支えられているごく少数の人々にとっては、大いに強みとなるビジネスモデルである。【ビジツイ264頁】傘

ソーシャルメディアは多くの場合、マスメディアとは異なる働き方をする。ごく少数の賢明な人々は単に自分の才能に頼るばかりでなく、ソーシャルメディアを通じて自分の熱心なフォローワーのベースを作る。【ビジツイ264頁】傘

今やツイッターのユーザー名の方が、会社名より重要になる場面が増えている。逆に個人のブランドが、所属する会社のブランドに大きな影響を与えるようになった。【ビジツイ268頁】雨

企業ブランドを生かすのも殺すのも、所属する個人のブランドになりつつある。ソーシャルメディアは個人ブランドの影響力を強力に増幅する。この現象がどこよりも際立って、劇的にまた迅速に起こるのを見られるのがツイッターだ。【ビジツイ269頁】雨

賢明な企業は、所属する個人のブランドを表に出すことが企業ブランドへの興味と信頼を高める効果があることを理解し始めている。また、個人がたまたま1つの組織に属しているからといって、すべての話題において一枚岩のように意見が一致している必要などないことにも気付いている。企業ブランドというカーテンの陰に、現実の人間がいることを発見すると、ほとんどの人々は安心する。【ビジツイ269頁】雨

「英語ができない教師が英語を教えている」の件で後日TwitterでもらったReplyのまとめ

先日の記事、「英語ができない教師が英語を教えている」の件で、後日Twitter上でこの件に関連していくつかのReplyを交わしました。以下に興味深かった発言をまとめました。

教員が授業に割ける時間や専門性を磨く時間が少ない。特に部活動で時間を取られている。

  • 高校の事しかわかりませんが、個人的に問題だと思っていることは、授業改善への意識の低さ、または機会のなさです。授業改善を考えたときに自己研鑽は欠かせないわけですが、そのための研修(資格試験含む)に参加しないorできない現状の改革は急務だと思いますね。そして以前もつぶやいたことがあるのですが、すごく単純な話、部活動を民間(地域)委託したらいいと思うんです。高校教員の意識をまず授業にむけるという意味でも。毎日放課後3~4時間、土日なしという部活も結構あります。これをほぼ無償でやっている現状はキツイですよ。
  • 極論ですが、僕は日本の国力の減退は、これにあると思っています。先生も生徒も勉強する時間がなさすぎです。>部活動を毎日放課後3~4時間、土日なしという部活も結構あります。これをほぼ無償でやっている現状はキツイですよ。
  • 香港でスゴイ実績を出している塾に秘訣を聴いたら、「部活がないから」と言われた。>極論ですが、僕は日本の国力の減退は、これにあると思っています。先生も生徒も勉強する時間がなさすぎです。

部活動がここまで負担になっているとは知らなかったです。教員の方達が授業に集中出来る組織作りが必要です。

部活動を地域の人達に任せてしまうというのはどうか

  • なるほど。(教員の負担を減らすために)欧米では、部活動ではなく地域のクラブスポーツが盛んなんですね。長年の疑問が解決されました。そこは行政と地域の協力が必要ですね。むしろスポーツは学校で行う必要なく、市民を巻き込んで地域中心にしたほうが良いのかもしれない。
  • (地域のクラブに任せるのは)必ずしも得意な部活の顧問になれるとは限らないらしいので、不慣れな先生が指導をして生徒が怪我をするよりかはいいかもですよね。
  • 地域のクラブ活動してる地域ありますよね。少年野球やサッカーや女子ソフトなどなど。小学生の時に参加していましたが、親同士も繋がりが深くなるし子供心に知ってる大人が増えるのは心強かったです。
  • ああこれはナイス!学校の責任で部活を外部委託すると問題が起こった時に学校に問題が返ってしまのを解消できるし、学生が地域と触れ合う事になるのはいいですね。
  • そういう動きは少しづつ出てきています。地域コーチや、外部コーチといった形で。
  • 部分的には進んでますよ。私の妹は中学で卓球部の指導してました

ある先生の学力向上への取り組み

  • 学校内における 学力向上委員会・教科検討会・研究授業、そして私の県では「難関大学プロジェクト」といって、拠点校同士が連携して取り組むプロジェクトがあります。授業内容については、生徒アンケートを毎年2回行い、評価をしてもらいます。他にも非常に面倒でやっかいですが、ベネッセ協賛のもと、県内記述・マーク模試を作成します。メンバーになると本当にやっかいですが、良い問題を作れることは、それだけ教科力があることなので、勉強になります。はぁ…気が重い。。。

教員からの情報発信が足りない(これは私がTweetしたものです)

  • はっきり言って、現場でどのような事がされているのか企業には伝わっていません。ですから「学校で学んだことが役に立たない。最も大切な事はコミュニケーション能力だ」などと言われるのです。どれだけ学校で有意義な事を教えているのか、生徒が何を学んだかを情報発信してください。私から現場の方にお願いしたいのはもっと現場で何をやっているのかということを積極的に発言してほしいということです。
  • 現場の努力は分かるのですが、現状では「学校で学んだことは役に立たない」といま多くの日本企業が公言して、日本人の代わりに留学生達を雇用するとまで言っているのです。私としては企業にそのような事を言わせない教育制度を創ってほしいのです。そのための議論を開始するためにもまず現場を知る必要があります。ですから現役高校教師の方々のTweetを期待しています。なにより「現場」が最も事情を把握しているのですから。

自分からは何も説明しないのに、世間は分かってくれる訳はありません。いくら自分達が「正しいこと」や「立派なこと」をしていると主張しても、その事実が周りに知られていなければ低い評価をされて、悪い場合には「それは単なる自己満足だろう」と言われても仕方がありません。黙って努力していればいつか誰かが評価してくれるなんて甘すぎる考えです。現状のようにあまりに情報発信が少ない状況を変えるには「学校に広報担当を置く」くらいの抜本的な対策が必要なのではと考えました。

教師は世間知らず?

私はTwitter上で教育に携わる人達とReplyを交わしていて、何人かの教師は社会性がほとんど全くないなと頭を抱えたくなりました。聞き手のことを想像出来ずに一方的に、しかも傲慢に話す人達が果たして生徒のことを思いやって教育を出来るのでしょうか。生徒からの評価や外部からの評価がないまま「先生」をしている人達の講義はさぞかし酷いものだろうなとゲンナリしました。

  • 先生が世間知らずなのは、学校に顔を出さない父親のせい。

このReplyをもらって、実際に企業活動の最前線にいる父親達が母親任せにせずに学校にもっと意見や要望をいうようになれば、また学校活動に協力するようになれば、現場も良くなると思いました。そのためにも長時間労働から父親達を解放する必要があります。

そもそも学校で学ぶ内容が問題

  • ちょっと待ってください。日本の中高生は十分に勉強しています。それは事実です。HALさんがいたアメリカよりも遥かにレベルは高いはずです。これはアメリカにいた人なら誰もが認めることだと思います。問題は大学に入ってからの勉強と中高生での勉強すべき事柄の選択です。

これもその通りだと思いました。どのような人材を育てたいのか明確な指針・基準を示して、教える内容を定めないと何にもならないです。現在は「教科書があるから、そこに書かれている事を教えている」となっていると思いますが、「そもそもなぜ教科書にこの内容を盛り込む必要があるのか、私たちは一体どのような人材を育てたいのか」という視点が必要です。

以上です。本件について引き続き意見を募集していますので、何か思うところがある方は私のTwitter Account、@HAL_JまでReplyをください。

英語が出来ない教師が英語を教えている。

文部科学省が公表している上記の資料を読んで、日本の英語教育の問題に気付きました。特に「3 教員の英語力について(新項目)」について熟読してください。

調査に協力した英語教員17,627人のうち、英検準1級以上、またはTOEFL(トーフル)のPBT550点以上、CBT213点以上、TOEIC(トーイック)730点以上のスコアを取得している者は、8,539人(48.4パーセント)。

なお、外部試験の受験経験のある者のうちでは、74.2パーセントが英検準1級以上(TOEFL(トーフル)等を含む)を取得している。

この資料は高校の英語教員でTOEIC730点、TOEFL550点、英検準一級の取得者は半分未満という結果を明らかにしています。はっきり言って、この程度の英語力ではロクに使い物になりません。そんな低い水準でも、高校の英語教師では達成者は半分未満。この事実に本当に愕然としました。

特に日系企業がこれだけ口喧しくTOEIC, TOEICと昨今言っているのに、教える側の半数ががそもそも730点にすら到達していないという事実に驚きました。私としては英語教師を名乗るからには最低でもTOEIC 860点は取得してほしいと考えています。そして860点は別に普通の人でも努力すれば取れる点数です。最低限この点数に到達できるだけの専門知識があって、はじめて高等学校にふさわしい英語を教えることが出来ると思います。専門知識である英語能力が不足しているようでは、生徒への指導力云々を語ってもまるで説得力がありません。「TOEIC730点も取れない英語が出来ない先生」が英語を教えているという事実が空恐ろしいです。国語教師で例えると、常用漢字も満足に身につけていない教師が教えているようなものです。

ということをTwitter上に書いた際にいくつかの反論が来ましたので、その反論と私の再反論を合わせて紹介します。

反論1 受験経験者は74.2%が持ってます。半数以下というのは受験経験がない者も母数に含めているからです。

再反論 そもそも受験していない教師がいる事が問題なのです。日系企業がこれだけTOEIC、TOEICと口喧しく言っているのになぜ受験していないのでしょうか。教師は学校の外の社会に関心がないのでしょうか。

反論2 教師になろうという人が企業が必要というからTOEICを受験しようというのは論がつながらないと思います。もっとシンプルに言えば,企業に行く人は受けるかもしれないけど,企業を考えずにいる人は要求されてない以上受けない(受験料もあるし)というのは極めて自然な選択では?ということです。学校教員の試験に含まれてないから受けてないだけ,ということです。

再反論 教師は社会で求められている英語力、企業が社員に求めている英語力を生徒に身につけさせる必要はないと考えているのでしょうか。また、そういう教師は学校の外の社会には関心がないのでしょうか。

反論3 現職の教員だと時間を確保するのは難しいというのがあるのでは?話を聞く限り小中高の教員も多忙です。例えば部活動にからむと休日が一日もなくなるとか。

再反論 TOEIC試験のために、日曜日の半日を使う事が出来ないとは考えられません。もし日曜日の半日すら時間を開けることが出来ないというのであれば、それは教師の過重労働という由々しき問題です。

一連のやりとりをしていて、社会のことを、生徒の未来のことを考えずに自分たちが所属する学校制度の事しか考えない教師に教壇に立ってほしくないと強く思いました。私ならそんな人の授業は聞きたくないです。そしてまた、そういう教師を生み出す日本の教育現場とはいったい何なのだろうかと考えさせられました。

先生たちは学校の中で一生を終えられるかもしれませんが、生徒は学校を卒業した後に社会で競争をしなければなりません。それなのに学校の中に引き篭り、また社会の事に関心のない人達が、学校の外の社会を生きなければならない生徒達を教える事が出来るのでしょうか。この現状に気付いて本当に怒りを感じました。

ただ、文句を言っているだけでは現状は何も変わらないので、以下にじゃあどうすれば良いのかという改革案を記します。問題の根源は英語が出来ない英語教師ではなく、そのような教師を生み出す制度の方にあると私は考えています。

改革案1 教員採用過程の透明化

Twitter上で多数のReplyをもらったのが、教員の縁故採用、またそれに伴う汚職についてです。どうやら教員の採用過程においては、教員自身の能力よりはコネの方がはるかに大事なようです。そして、これは地方にいけばいくほど酷いみたいです(これらについてTwitter上で教えてもらった内容は聞いていてあまりの腐敗ぶりに気分が悪くなりました)。教員の質を確保するためには、客観的な採用基準を内外に明確に示して、何をもってその人を採用したのかを明らかにする必要があります。

改革案2 英語力に乏しい教師への対応

現在すでに英語教師となっているにも関わらず、英語力が十分でない教師には研修を受けさせて英語力を向上させるか、その他の職へ配置換えをする。最終的には、教員の免許を更新制にして、5年、もしくは10年毎に教師が必要な能力を身につけているかどうか確認するようにする。

改革案3 教員の給料の向上

優秀な人材を引きつけるために、教員の給料を挙げる。また、教員採用において汚職が蔓延る原因の一つには教員の給料の低さがあると思います。

改革案4 教員の事務作業軽減

小学校〜大学の事務員を増やす。教員が事務をしなければならないという現状はおかしい。教員が教育に専念、また自身の専門性を高められる体制を作る。

改正案5 民間企業経験者を教員に採用する

「実際にどのような英語が社会で求められているのか」そういったことを把握している民間企業経験者を教育現場に採用する。そうすることで、教える内容が時代遅れや時代錯誤なものにならないようにする。

私が考えた改革案とTwitter上でいただいたReplyをまとめたものは以上になります。他にも良い案があるという人がいらしたら、Commentをお願いします。

ただ、これらの改革はとても時間がかかると思います。私自身がすぐに出来ることはといえば現在書籍化の話が来ている「実用的な英語を習得する方法」の学習ノウハウを世の中に広めて、1人でも多くの人がまともな英語を使えるようにすることくらいかなと思いました。問題をすぐに解決出来ないことがとても歯がゆいです。

6月18日追記

Twitterでこの記事について議論をしていて、どうも話が噛み合わないなと感じたのは、「英語教育の目的をどこに置くか(置かざるをえないか)」という点がそれぞれの関係者で全く異なっていたためだということが分かりました。

私の立ち位置は一番最後です。私や一部の企業は「日本国内のみで通用する受験英語教育」ではなく、他国との競争を視野に入れた英語教育を望んでいます。そして、現状の教育制度では、TOEFL上位5カ国とはまともに伍する事が出来るとは思えません。日本国内のみでしか通用しない英語教育では「ガラパゴス」です。こんなガラパゴス英語では日本国内から出た場合、役に立ちません。

高校の英語教師がTOEIC、TOEFL、CBT、英検を軽視しているのは「受験英語」が最も大切で、これらについて教えることは求められていないからです。現状の制度がこうなっているから、親や生徒からしたら受験英語の力が身につく事が最も大切な事であるため、必然的にそうなるのでしょう。でも、これはもう止めませんか。大学受験時にしか使えない英語を学ぶのは日本と日本人の資源を無駄遣いしています。中学・高校で6年間も勉強して「読解」能力しか身につかない、「聞く」「話す」「書く」能力が身につかない英語教育はおかしいです。

学校教育の考え方を大きく変えるためには、現状の制度・仕組みを変えなければいけません。私が挙げたいのは「現状の大学受験英語の廃止(特に何のためにやっているのか分からない、難関大学の生徒を落とすためだけの試験問題)」です。日本人同士でしか競わない現状の大学試験入試よりは、他国の人々と競い合うことになるTOEFL、TOEIC、CBTの方がまだましに思えます。

そして私がここで書いたようなことは出来れば、門外漢の私ではなく、日本の英語教育と日々まさに向き合っている英語教師の方々からこのような意見がもっと出てほしいです。「現場を、教師の世界を知らない人間が何を言っているのか」というReplyが来ましたが、分かる訳がありません。なぜなら現場から十分な情報発信がされていないからです。この点については現職の方々はどのように考えておられるのでしょうか。目先の問題を解決する事だけに終始して、私がここで書いたような問題については興味や関心がないのでしょうか。それとも何か取り組みをされているのでしょうか。具体的に何か取り組みがあるということでしたらこの記事へのCommentをお願いします。教育の現場を見ていない私たちにも分かるように情報発信をお願いします。現在の学校英語教育に対してとても強い不満を持っている人達に対して「現場を知らない人間が口を出すな」と言うだけでは、問題から目を背けていると批難されても仕方がないと思います。

6月21日追記

この記事に書かれている内容、楽天の三木谷社長の危機感がまさに私が感じている危機感です。この危機感が一部の人達に全く伝わらない現状がとても残念です。

「大学で勉強していない人は就職が難しくなると思いますよ。中国人や韓国人は最低2か国語を話せて、専門知識の勉強もしています。これまでのような会社に就職してから教えてもらうという考えでは、外国人と同じ土俵に立てません」

現状の学校制度は古いままなのに、いきなり「ルールは変わりました。これからは専門能力と語学力が必要です」というのも学生にとっては酷な話。例えばこれまで記事を書いていますが、現在のような日本の学校教育を受けているだけでは決して十分な語学力は身につくことはありません。それでも企業は学生に語学力を求めるようになってきました。

6月24日追記

学校での英語教育を廃止せよ

この記事と同様の主旨、そしてさらに過激な解決方法を提言している記事を見つけたので参考にしてください。

お願い

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【学習記録】ビジネス・ツイッター 第1部 ツイッターはこうして始まった

この記事は「ビジネス・ツイッター 世界の企業を変えた140文字の会話メディア」の「第1部 ツイッターはこうして始まった」を読んだ際に私が書き留めたメモを整理して公開しています。つまり、私の勉強記録です。また、この記事の内容に興味がある人は「ビジネス・ツイッター 世界の企業を変えた140文字の会話メディア」を手に取って読んでみて下さい。

本書はTwitter User、そしてまたSales、Marketingに関わった私には本当に面白く感じました。Twitterを使った販促活動に興味がある人達にとっては必読の本です。

補足 文中になる空、雨、傘という単語は問題解決のために必要な分類方法です。詳細は下記の過去記事を参考にしてください。

  • 日本語版への序文

Twitter、2007年4月にはユーザーは世界でわずか6万人、2010年1月の登録ユーザーは世界の200ヶ国で7500万人と驚くべき成長を遂げた。【ビジツイ1頁】空

アメリカ最大のケーブルテレビ会社であるコムキャストは長年ユーザーにひどい悪印象をもたれていたが、ツイッターを利用することで短期間で好感度を大幅にアップできた。【ビジツイ2頁】空

現在アメリカでは下院議員と州知事の半数がツイッターを使っている。ツイッターは前回の大統領選でも大きな役割を果たしている。【ビジツイ3頁】空

政治家がツイッターを使うようになるのは必然だ。そこには有権者がいるからだ。そしてツイッターのユーザーはますます政治について語るようになってきた。【ビジツイ3頁】空

  • 序文 シャーリーン・リー

ウェブの父、ティム・バーナーズ=リーは、「情報共有のための普遍的なメディア」としてウェブを構想したわけだが、ツイッターはまさにこの目標の達成を助けるツールだ。【ビジツイ8頁】空

  • イントロダクション

RTこそツイッター・マジックの重要な源泉の1つである。あるユーザーにはほんの数人のフォロワーしかいないかもしれない。しかし、わずか数次の隔たりの先には、世界中に文字通り数百万のツイッター・ユーザーがいるのだ。【ビジツイ12頁】空

2009年2月には、デトロイトの病院の医師のチームがロボットを利用したがんの除去手術の模様をラスベガスで開かれた学会の会場にツイッターでライブ中継した。【ビジツイ14頁】空

ツイッターは新しい人々と知りあうためのツールとしても、電話より優れている。知らない人間が電話をかけてきたら、相手はほぼ間違いなく、われわれに要らない物を売りつけようとしている。続き)ところがツイッターでは知らない人々と出会うのは楽しい経験であり、また大いに役に立つ。(略)とにかくツイッターでは、電話で知らない人と話す場合のような不愉快な思いをすることはまずない。【ビジツイ17頁】雨 →不愉快な思いをすることもありますけどね。非礼、無礼、非論理的、被害妄想的な人達からのReplyとか。

Twitterは140文字の長さ制限があるために、会話のテンポは非常に速い。ツイッターは今までのブログとは比較にならないほど進行が速い。【ビジツイ17頁】空

ツイッターは厳しい経済環境に非常に適したツールだと思う不景気になれば企業は経費を厳しく切り詰める必要に迫られる。しかし、顧客との対話を絶やすわけにはいかない。ツイッターはこういう際にもっともコストパフォーマンスの高い一対一のコミュニケーション・チャネルを提供する。【ビジツイ19頁】雨

コミュニケーションの相手は顧客に限らない。社員、取引先、株主、投資家、アナリスト、その他企業が必要とするあらゆるコミュニケーションにツイッターが利用できる。(中略)画一的コミュニケーションよ、さようなら。これからは会話的コミュニケーションの時代だ。【ビジツイ19頁】雨

ツイッターにはおのずから制限がある。たとえば、ツイッターでは文字だけしか扱えない。セキュリティやプライバシーは基本的にないと同じだ。特定の相手の意見をじっくり聞くのも向いていない。(略)ツイッターは他のツール、特にブログと併せて使うことで一層効果を高める。【ビジツイ20頁】雨

ツイッターを上手く使えば、自分が知っていて信頼できるとわかっている人々から直接にさまざまな実例や意見を教えてもらうことができる。これはグーグル検索に比べてさえ効果的だった。【ビジツイ20頁】傘

全体としてツイッターを成立させているのは、「善意の群集」であると言って良い。もっとも寛大で善意にあふれたツイッター・ユーザーは、同時にもっとも影響力のあるユーザーだった。【ビジツイ22頁】雨

歩き慣れた通りで出会う人々がたいてい知り合いであるような居心地の良いツイッター村(Twitterville)。こうした町では人々は友人、関心、倫理を共有している。たとえ知らない人に出会っても、共通の友人がいたり、関心を持つテーマが同じだったりする可能性が高い。【ビジツイ22頁】雨

ツイッター村(Twitterville)は、数千万の住人がいる世界最大の都市だ。しかも信じられないほどのスピードで拡大を続けている。しかし大半のメンバーにとっては、居心地の良い小さな町であり続けている。基本的にツイッター村は依然として安全な町である。【ビジツイ22頁】雨

ツイッター世界も一つの市場である。そこでの会話はさまざまな企業にとって、きわめて重要なものになりつつある。【ビジツイ25頁】雨

第1部 ツイッターはこうして始まった

  • 第1章 一杯のワインがオデオをやめさせた

ツイッターのユーザーが増えるにしたがって、たとえば、長い間付き合いが途絶えていた古い友人が、どこそこのレストランでランチを食べているといったメッセージを投稿しているのを発見するような機会が増えた。こうしたちょっとした何気ない情報が付き合いを復活させるのに大いに役立った。【ビジツイ40頁】空

Twitterは公開から3年と2ヶ月後、推定ユーザー数は3200万となった。この成果を得るためにこの会社は、マーケティング、PR、広告のための費用を1ドル足りとも使わなかった。【ビジツイ41頁】空

システムがダウンしている苦痛な時間を少しでも明るくしようとツイッター・チームはクジラが青い小鳥の群れに空に持ち上げられて(おそらくは病院へ)運ばれていくかわいらしいイラストを表示し始めた。このイラストのクジラの名前は「フェイル・ホエール(Fail Whale失敗クジラ)」というニックネームが付いた。【ビジツイ46頁】空

失敗クジラはやがてTシャツや、アクセサリーにあしらわれるようになり、さらにはファンクラブ failwhale.com までできる人気となった。【ビジツイ46頁】空

(2007年の話)新しい取締役会と創業者グループは、当面のTwitter戦略で意見が一致した。ツイッターはまずテクノロジー上の課題の解決に全力を挙げること。どうやって金を稼ぐか心配するのは後でもよい。【ビジツイ49頁】空

「ツイッターは過去のいかなるソーシャルサービスよりも急速に成長を続けている。実際、これほど長い期間にわたって指数関数的な成長率を維持したテクノロジー・サービスは私の記憶にない。」【ビジツイ50頁】雨

→人ともっと出会うようになったら、iPhoneを買ってTwitterを使いこなさないといけないと思えてきた。

  • 第2章 ツイッター、衝撃のデビュー
  • 第3章 デルも同じ道を歩んでいた

「なるほど多くのメッセージは些末な事柄を伝えるに過ぎないが、誰かを親密に知ろうとするなら、Twitterは得難い道具になる」【ビジツイ64頁】雨

メンチャカは次第に、自分のブログ記事に対する反響はブログそのものでなく、ツイッター上で生じることに気付いた。ツイッター・ユーザーもまた、メンチャカがツイッター上で会話に加わることを歓迎した。【ビジツイ75頁】空 → BlogにCommentが付かずに、TwitterのReplyで感想がいつも送られてくるのは、私も経験しています。

世論調査の専門家や政治家はよく理解している事実だが、どんな人物であろうと組織であろうと、20%の人々には忌み嫌われていて、どんなに努力しようとそれを変えさせることはできない。(略)だから説得のために時間を費やすのは無駄だとビルハマーは考えていた。【ビジツイ78頁】雨 → 私も2割の人からは絶対好かれないと割りきっているので、そういう人達に時間を使うことはありません。残りの8割の人達のために時間を使うようにしています。

ブログをモニターした経験から、われわれはオンラインでの会話こそユーザーの声を収集するためのコストを下げ、顧客の不満を満足に変えるもっとも費用効果の高い方法だと学んだ。ツイッターもこの点から役に立つし、メッセージが短い分、スピードがブログよりも速い。【ビジツイ78頁】雨

何かのトラブルがツイッター上でうわさになった場合、1日というのは永遠にも似た長さである。その間に発生するダメージは深刻だ。【ビジツイ80頁】雨

ツイッターの利点は、自社について顧客が何と言っているかを知る(業界では「エゴ検索」という)事が出来るだけではなかった。チームはすぐにツイッターは非常に優れた「関連情報を発見する道具」であることに気付いた。【ビジツイ80頁】雨

「ツイッターの使用者は面白いメッセージには面白いというし、つまらないメッセージにはつまらないとはっきり言う。歯に衣を着せないんです」【ビジツイ81頁】空

ツイッターを使えばアンケートに答えてくれる特別のユーザーグループを大金をかけて維持する必要がなくなる。ツイッターは、十分に知識があり熱心な本物のユーザーからのフィードバックを即座に提供してくれる。【ビジツイ81頁】空

「私は『ツイッター質問箱』と名付けました。ユーザーが何を考えているか知りたい場合は、とにかくツイッターで質問してみる。すると即座に答えが返ってくる。しかも無料です。」これも『群衆の叡智』の一例だろう。【ビジツイ82頁】傘

インタビューの中で(Dell社員)ビンハマーはツイッターを「もっとも親密なソーシャルメディア・プラットフォームです。電話で会話するのと同じくらい自然なコミュニケーションができる」と評した。【ビジツイ82頁】傘

「デルのツイッター・ユーザーは、全員が自分の写真を公開している。メンチャカは、「われわれはデルに人間味をもたせようとしている。ユーザーがデルというブランドにではなく、生身に人間に対して話しかけるようにしたいのだ」と言う。【ビジツイ83頁】傘

デル社員のビンハマーによると、デルでは業務時間内にデルの業務に関してツイッターに投稿することが推奨されている。また、業務外の話題についてもつぶやくことも認められている。【ビジツイ83頁】空

デルのツイッター・チームはデルのPR情報ばかりをつぶやいているわけではない。「われわれは会社のサクラを演じつためにツイッターをやっているのではない。これは重要な点です」とビンハマーは語る。「サクラを演じない」という方針を貫くのは時として難しい。【ビジツイ84頁】空

「デルにとってここしばらく困難な経済情勢が続いたこともあって、ソーシャルメディアの重要性はいっそう高くなった。ソーシャルメディアは低いコストで顧客との関係を深めることができるので、景気が悪いときには大いに助かります」「ツイッターはデルの一部だ」【ビジツイ86頁】空

  • 第4章 なぜコムキャストがツイッターを?
  • 第5章 ユーザーが主導権を握る

マーケティングやPRの専門家の一部はこの変化を正しく認識して、「ターゲットとする顧客層に企業のメッセージを伝える」という従来の戦略を修正し、「(ツイッターなどのSNSによって)顧客と潜在的な顧客との間に対話的な関係を作り上げる」ことがもっと友好なアプローチだと気付いている

しかし、あいかわらずキャッチフレーズをひたすら繰り返す手法に固執する会社も多い。こうした手法はほとんどの場合自己満足に終わる。現在、マーケティングは原点に立ち返る必要がある。マーケティングの本質とは顧客との間に密接な関係を作ることだ。

ターゲティングや連呼ははっきり言って時代遅れの手法だ。こうした手法が通用した時代は急速に過ぎ去ろうとしている。新しい時代に古いツールを使うと、往々にして良きに版下逆効果をもたらす。一方、ツイッターはターボチャージャー付きの強力きわまりない会話ツールだ。【ビジツイ113頁】傘

【連絡】Twitterを活用して英語学習を熱心にしている人達を募集しています。

TOEIC860点を取得、かつ日本の英語教育で欠けている「話す」「書く」ための英語学習方法を紹介している実用的な英語を習得する方法、書籍名「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」がこの度、Discover21より書籍化されることになりました。書籍の中でTwitterを活用して英語学習を熱心にしている人達をList、twitter-eslを通じて紹介したいと考えています。

このtwitter-eslに登録される事を希望している方を募集しています。これはTwitter上にいる他の英語学習者とも知り合うことが出来る良い機になると思います。この機会を是非活かしてください。以下、募集要項です。

必要条件(Listに登録を希望される方はこの条件の1つは必ず満たしてください)

  • 英語学習の内容を定期的にTweetしている人。
  • 英作文を投稿している人。
  • 英語勉強している人。

→該当者は私が作成したTwitterのList、twitter-eslに登録して紹介します。また、すでに何人か英語学習者をListに登録しているので、もし学習仲間を探している人がいましたらtwitter-eslに登録されている人をFollowしてみてください。

連絡先

  • Twitter @HAL_J にReplyをください。
  • Mail treasure.in.treasure.out(at)gmail.com

Listに登録される事を希望される方は常時募集しています。ご連絡お待ちしております。


Summer Streets 2009 自転車でManhattanを南北に駆け抜ける

Manhattanの南北を自転車で走るSummer Streets 2009というお祭りに参加してきた際の写真をこの記事で公開します。普段は車が走っていて走れない場所もこの日は自転車で走ることが出来ました。自転車でManhattanを駆け抜ける事が出来た贅沢な夏の1日でした。

【学習記録】ネクスト・ソサエティ 第1部 迫り来るネクスト・ソサエティ

この記事はP・F・ドラッカーの著書「ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる」の「第1部 迫り来るネクスト・ソサエティ」を読んだ際に私が書き留めたメモを整理して公開しています。つまり、私の勉強記録です。また、この記事の内容に興味がある人は「ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる」を手に取って読んでみて下さい。

補足 文中になる空、雨、傘という単語は問題解決のために必要な分類方法です。詳細は下記の過去記事を参考にしてください。

  • 第1章 ネクスト・ソサエティの姿

政治家は年金制度の改革を約束する。同時に、いまから25年後には、誰もが70代半ばまで働かなけ ればならなくなることも承知している。しかし、彼ら政治家も、高齢者のきわめて多くがフルタイ ムではなく契約ベース、非常勤、臨時、パートタイムで働くようになることまでは承知していない 。【NS 4頁】雨

いまから20年後あるいは25年後には、組織のために働く者の半数は、フルタイムどころかいかなる 雇用関係にもない人達となる。特に高齢者がそうなる。したがって、雇用関係にな い人たちをいかにマネジメントするかが、企業だけでなくあらゆる種類の組織にとって中心的な課 題の1つとなる。【NS 4頁】雨

若年人口の急減は、政治的には、外国人労働者や移民の受け入れが、国論を二分する問題になるこ とを意味する。経営的には、国内市場が激変することを意味する。【NS 4頁】雨

1950年代のアメリカでは、製造業の雇用が全就業人口の35%を占めていた。ところが今日では、いかなる社会不安も引き起こすことなく半減している。(続く 続き)しかし、製造業の雇用が今日でも25~30%の高い水準にある日本やドイツにおいて、その急激な現象はいかなる社会不安をもたらすことになるのか。【NS 4頁】雨

  • 第2章 社会を変える少子高齢化

世界2位の経済大国日本では、人口は2005年に1億2500万のピークに達する。2051年には1億人を切る 。そのかなり手前の2030年においてさえ、65歳超人口が成人人口の半数を占めるにいたる。【NS 10頁】空

日本の出生率はドイツ並の1.3である。これらの数字は、フランス※、イタリア、オランダ、スウェーデン、スペイン、ポルトガル、また新興国の中国でも変わらない。【NS 10頁】空 (※本書が書かれた時代と異なり、フランスは現在出生率が回復しています。)

少子高齢化は、先進国の政治において高齢者の支持が重要になることを意味する。すでに年金改革は選挙公約の柱である。移民の受け入れは人口維持や労働力確保の観点から論じられるようになっている。年金と移民の2つの問題が、先進国の政治の様相を大きく変えつつある。【NS 10頁】雨

遅くとも2030年には、先進国では退職者が退職の恩恵に浴せるのは70代半ばということになる。年金の額も少なくなる。【NS 10頁】雨

就業者の年金負担の上昇を多少なりとも抑えるために、心身ともに健康な者に対する定年は撤廃されるかもしれない。すでに若年者と中年者の多くが、自分たちの年金の財布が空になることを懸念している。いずれの国においても、政治家だけが、現行の年金制度を救える振りをしている。【NS 11頁】雨

人口問題の権威は「今後50年間、日本は年間350万人の移民を必要とし、労働人口の減少を防ぐためにはその倍は必要とする」といっている。しかも、アメリカ以外の国には、そのような規模の移民を受け入れた経験がまったくない。【NS 12頁】傘

先進国のなかでは、すでに多くの移民を受け入れているアメリカが数十年先をいっていることにまちがいない。アメリカは特に1970年代以降、非合法のものを含め大量の移民を受け入れている。そのほとんどが若く、出生率も高かった。【NS 12頁】雨

先進国のなかでは、アメリカ並の経験を持つ国はオーストラリアとカナダだけである。(中略)依然としてヨーロッパは国籍・言語・文化・宗教の異なる外国人の同化は成功していない。【NS 13頁】空

人口構造の変化がもたらす最大の影響が、文化と市場の多様化である。(中略)今後、先進国においてもっとも急速に成長するに違いない高学歴者のための継続教育の市場も、これまでの若年市場とはまったく異質の価値観をもつ市場である。【NS 14頁】雨

労働市場は女性の知識労働者の出現によっても多様化する。看護師、コンピューター技師、弁護士補助職の資格をもつならば、15年間の子育てのあと仕事に復帰出来る。(中略)知識労働者の道こそ、子育て後の社会復帰を望む女性のニーズに答え、かつ労働可能年齢制限の延長という新しい現実に答える初めてのキャリアである。【NS 16頁】雨

そもそも労働可能年限の延長だけでも、労働市場の多様化を促進する。50年に及ぶ職業生活は、1種類の仕事をするには長すぎる。企業をはじめとする組織の短命化も、労働市場の多様化を促進する。(中略)30年以上存続する企業はほとんどなくなることを覚悟しなければならない。政府機関や政府プログラムさえ、30年はもたなくなる。【NS 16頁】雨

今日のところ、50歳あるいは55歳に達した働き手のなかに、知識労働者は少数である。しかし、2030年には、彼らが単独では最大の層となっているはずである。【NS 17頁】雨

  • 第3章 雇用の変貌

あらゆる経済大国のなかで、製造業労働者の割合の最低の国がアメリカである。イギリスがこれに続く。日本とドイツでは、まだ四分の一近くが製造業労働者である。そして、あらゆる先進国において、製造業労働者の割合は減少の一途をたどっている。【NS 20頁】空

先進国社会でもっとも急速に増加している労働力は、サービス労働者ではなく知識労働者である。すなわち、仕事に正規の高等教育を必要とする人たちである。アメリカでは、この知識労働者が全労働力人口の三分の一を越えた。実に工場労働者の倍である。20年後には、先進国では全労働力人口の4割に達することになる【NS 20頁】雨

知識は専門化して、初めて有効となる。ということは、知識労働者は組織と関わりをもたざるをえないことを意味する。組織とは、多分野の知識労働者を糾合し、彼らの専門知識を共通の目標に向けて動員するための人の集合体である。【NS 21頁】雨

知識は急速に陳腐化する。そのため定期的に教室に戻ることが不可欠となる。知識労働者のための継続教育がネクスト・ソサエティにおける成長産業となる。ただし、それが行われる場所は学校とは限らない。週末のセミナーへの参加であったり、自宅でのeラーニングであったりする。【NS 25頁】傘

知識とは専門化である。知識労働者は自らの専門分野では高度の流動性をもつ。大学、企業、政府機関を変わることに抵抗がない。(中略)彼らといえども組織への愛着はもつ。居心地のよさも感じる。だが、その忠誠は自らの専門分野にある。【NS 26頁】空

知識社会は、上方への移動に制限がないという初めての社会である。知識は、相続も遺贈もできないところが他の生産手段と異なる。あらゆる者が自力で獲得しなければならない。誰もが無知の状態からスタートする。【NS 26頁】空

知識労働者たる者は若いうちに非競争的な生活とコミュニティをつくりあげておかなければならない。コミュニティでのボランティア活動、地元のオーケストラへの参加、小さな町での公職など仕事以外の関心事を育てておく必要がある。やがてそれらの関心事が、万が一にも仕事に燃え尽きたとき、貢献と自己実現の場を与えてくることになる。【NS 29頁】傘

→上記2つの文章は仕事以外に何の趣味・関心・交友関係がなくて、退職後/離職後に燃え尽きてしまう人たちを連想した。

  • 第4章 製造業のジレンマ

今日、先進国のなかで農作物の輸入国は日本だけである。それどころかヨーロッパのあらゆる国が、売るあてのない大量の余剰農作物をかかえている。今日、農業生産は1920年の4倍に達した。1950年と比べても3倍となっている。【NS 32頁】空

→こういう事実を知ると食糧危機なんて起こる訳ないじゃん、日本は自給率になぜそこまでこだわるの?といつも思う。

社会心理的にも、日本は製造業の地位の変化を受け入れる心構えができていない。日本は20世紀の後半、製造業の力によって経済大国の地位を獲得した。(中略)経済発展の主役としての製造業の地位の変化が、日本のかつての難局のいずれにも劣ることのない大問題であることに違いはない。【NS 34頁】雨

これから製造業はかつての農業のように地位が低下する。そして農業と同じように保護主義を強める。EU、NAFTA、MERCOSURという地域単位で保護の障壁は作られる。

保護主義は、経済的な利害と政治的な力学に加え、情緒的な郷愁と偏狭な愛国心によって勢力を伸ばす。だが、そこからは何も生まれない。成熟産業に対する保護は無効である。すでに70年に及ぶ農業保護の経験が明確に示している。【NS 37頁】傘

過剰雇用の成熟産業に金を注ぎ込む政策は害をなすだけである。それらの金は、一時解雇された高齢者を助け、若年者を再教育し再雇用するために使わなければならない。【NS 37頁】傘

→潰すべきものを潰さないといつまで経っても新規産業は育たないし、既得権益者は害を撒き散らすだけ。

  • 第5章 企業のかたちが変わる

もっとも生産的なマネジメントは、統合ではなく分散であることが明らかになった。あらゆる活動がそうなった。その結果、まず初めにIT関連業務、データ処理、コンピューター・システムのアウトソーシングが一般化した。【NS 42頁】空

ごく最近にいたっては、多くの企業が、採用、解雇、給与、手当、人事、厚生の業務を包括して雇用業務代行会社にアウトソーシングするようになった。それら雇用業務代行会社に業務をアウトソーシングするクライアント企業の社員総数は、すでに200万人を越えた。【NS 42頁】空

事業の発展は、企業の内部からではなく、他の組織や技術とのパートナーシップ、合弁、提携、少数株式参加、ノウハウ契約からもたらされるようになった。企業と大学の学部、市役所や州政府と道路清掃や刑務所管理を請け負う企業というように、異質の組織間の提携という50年前には考えられなかったことが当たり前になっている。【NS44頁】空

アメリカではこの10年、20年というもの、多くの企業が、知識労働者を惹きつけ留めておくために、ボーナスとストックオプションを使ってきた。そして、すべて失敗してきた。(中略)知識労働者にとっても、報酬は大事である。報酬の不満は意欲をそぐ。しかし意欲の源泉は、金銭以外のところにある。【NS48頁】雨

知識労働者にとって重要なことは、第一に組織が何をしようとしており、どこへ行こうとしているかを知ることである。第二に、責任を与えられ、かつ自己実現することである。もっとも適したところに配置されることである。第三に、継続学習の機会を持つことである。そして、何よりも敬意を払われることである。彼ら自身よりも、むしろ彼らの専門分野が敬意を払われることである。【NS48頁】雨

→これがまったく出来ていない他山の石な日本企業が山ほど頭に浮かんだ。だからみんな辞めていくんだよ。

かつての肉体労働者は、何をなすべきかは指示されるものとしていた。これに対し知識労働者は、自らの専門分野では自らが意思決定を行うべきものとする。【NS49頁】傘

「第1部第5章 企業のかたちが変わる」は面白い事例が多い。でも、抜粋紹介するには長すぎるので割愛。興味がある人は自分で手に取って読んでください。

  • 第6章 トップマネジメントが変わる

組織に必要とされるものは、真摯に仕事をする有能なトップマネジメントであって、超人ではない。今日何人かのスーパーマン的なトップがいるということ自体が、トップマネジメントの危機を表している。【NS56頁】雨

アメリカの大企業で起こっている一連の失脚劇は、人物の欠陥ではなく、システムの欠陥を示している。いままさに、トップマネジメントに関して新しいコンセプトが必要とされている。【NS56頁】雨

→これって日本政界にそのまま当てはまる。優秀な人材、他の誰にも変わることのできない素晴らしい人材のみが活躍している組織は、一言でいうと「駄目な組織」です。超人じゃなくても活躍出来る組織が理想。

  • 第7章 ネクスト・ソサエティに備えて

組織にとってもっとも重要な変化とは、今日の情報システムでは把握できない外部の変化である。外部の世界についての情報は、ほとんどの場合コンピューターを利用できる性格のものではない。分類もされなければ、定量化もされない。【NS62頁】雨

組織が生き残りかつ成功するためには、自らがチェンジ・エージェント、すなわち変革機関とならなければならない。変化をマネジメントする最善の方法は、自ら変化をつくりだすことである。【NS62頁】傘

→ドラッカーの名言ですね。>変化をマネジメントする最善の方法は、自ら変化をつくりだすことである。

変革機関となるためには、第一に成功していないものはすべて組織的に廃棄しなければならない。第二に、あらゆる製品、サービス、プロセスを組織的かつ継続的に改善していかなければならない。第三に、あらゆる成功、特に予期せぬ成功、計画外の成功を追求して行かなければならない。第四に体系的にイノベーションを行っていかなければならない。【NS62頁】傘

チェンジ・エージェントたるための要点は、組織全体の思考態度を変えることである。全員が、変化を驚異ではなくチャンスとして捉えるようになることである。【NS62頁】傘

【学習記録】パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本

この記事は「パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本」を読んだ際に私が書き留めたメモを整理して公開しています。つまり、私の勉強記録です。また、この記事の内容に興味がある人は是非パラダイス鎖国を手に取って読んでみて下さい。

  • 空 いま日本におきていること。

「Japan: A Forgotten Power?」実は今でも「大国」であるはずの日本が貿易摩擦の時代も遠くなり、世界から忘れ去られつつあるというのだ。【パラダイス鎖国 3頁】

Japan Nothing…日米のビジネス関係理論を得意とする、スタンフォード大学のリチャード・ダッシャー教授の教え子たちでさえ、「日本が世界第2位の経済大国であるということを最初は知らない」という。【パラダイス鎖国 70頁】空

Japan Nothing…日本の対米輸出額は増えており、またアメリカの自動車産業が苦境に陥っているにもかかわらず、貿易摩擦時代のように日本を批判する声は上がらない。【パラダイス鎖国 70頁】空

●人々の意識

清潔で綺麗な街、美味しい食事が出来ると日本は欧米よりもすでに住みやすい国となった。海外への憧れは薄れ、また国外で働くことにデメリットを感じるようになった。

2007年 新入社員のグローバル意識調査…「海外赴任をしたいかどうか」については「いいえ」が2004年の28.7%→2007年の36.2%に急増。【パラダイス鎖国 32頁】空

2007年 新入社員のグローバル意識調査…「もし海外赴任を命じられたら、どうしますか?」では「喜んで従う」人が37.1%から29.3%に激減。「できるだけ拒否する」人が21.8%から30.5%に急増している。【パラダイス鎖国 33頁】空

最近の日本企業のアメリカ駐在では、本社から遠くなることで社内の政治力学に疎くなる、アメリカでの事業展開に取り組もうとしてもリソースを割いてもらえない、といったボヤキを聞く。中には本社は何も決めずに人だけ出して丸投げ、海外赴任者は燃料も武器も自分でなんとかしろという特攻隊もどき、とまで嘆く声もある。【パラダイス鎖国 58頁】空

●産業

多数の企業が国内市場で過当競争していることに関連して、国内市場でのシェアは高いが世界市場でのシェアは低い、いわゆる「内弁慶ビジネス」が目立ってきている。日本市場は世界市場の1割弱の大きさに過ぎず、日本の大手電機がこぞって参入すると短期間のうちに普及してしまい市場は飽和する。内弁慶ビジネスが増加すると、ひとつの製品で収益をあげられる期間は短くなってしまい、中長期的に安定したビジネスは不可能である。【パラダイス鎖国 40頁】空

こうした内弁慶ビジネスとして、携帯電話端末を筆頭に、そのほかパソコン、白物家電、発電機などの重電、通信機器、コンピューターソリューションなどが挙げられる。【パラダイス鎖国 41頁】空

アメリカの携帯電話業界では、日本のメーカーはまったく影響力を持たない。日本は世界をリードする携帯技術を手に入れたが、他の市場を捨ててしまうという皮肉な結果となった。【パラダイス鎖国 36頁】空

世界の携帯電話市場で、加入者ベースで見ると、日本は中国、アメリカ、インド、ロシアに次いで第5位。だが、金額ベースでは、アメリカに次ぐ世界第2位を維持していると推測される。【パラダイス鎖国 37頁】空

日本の携帯電話は、普及率でほぼ飽和点に達しつつあり、今後は買い替え需要が中心の低成長市場となる。これに対し、世界の市場では、新興国の需要が猛烈な勢いで増大している。【パラダイス鎖国 39頁】空

産業の「パラダイス鎖国」はほかの業界にも及ぶ。通信産業では、交換機、無線設備、ルーターなどのネットワーク機器で日本のメーカーは国外にまったく存在感がない。【パラダイス鎖国 40頁】空

大手電機メーカー10社(NEC、富士通、日立製作所、東芝、三菱電機、ソニー、松下電器、シャープ、三洋電機、パイオニア)の売上高合計は、51.3兆円(2005年)で、自動車7社とほぼ同規模であり、日本のGDPの約1割を占める。大手電機メーカーは素材・部品・販売・物流など裾野産業も広い。この巨大で影響力の大きい業界がパラダイス鎖国によって、世界で競争していくための数量と販売網を失い、ますます国内に引きこもってブランド価値を下げていくという「閉鎖ループ」に入ってしまうと、その悪影響は大きい。【パラダイス鎖国 41頁】雨

  • 雨 パラダイス鎖国は何が問題なのか

●大量生産が出来ないと利益が出なくなる。 「グローバル市場とコスト」…公式1 数の多い方が勝ち。【パラダイス鎖国 45頁】空

工場の生産ラインは(大量生産によって)静かなほど低コストである。部品も大量に納入されるので品質も安定する。数量が大きければ、その分、製品の品質もよく、コストも安くなる、という現実を、静々と威圧するように流れるアメリカ向けアコードは無言で語っていた。そして、もしこれだけの数量のアメリカ向け輸出がなかったら、国内仕様車のコストもさらに跳ね上がってしまう。日本で販売量のないホンダにとっては、たとえ貿易摩擦で叩かれようとも、海外市場での数量を失うことは決して許されない(80年代の話です)。

貿易摩擦の時代に「日本のメーカーは、利益よりもシェアを重視する」と、よく他国や当地のメーカーから批判されたが、シェアがなければ利益もでないのが現実だから、日本のメーカーとしては仕方がない。(中略)M&Aのやりにくい日本では、違う形でシェア競争をせざるをえなかったのだ。70年代の高度成長期の勢いを受け、円安にも助けられて、日本企業はこのころ「数の多い方が勝ち」という「グローバル市場とコストの公式1」を突っ走っていた。【パラダイス鎖国 46頁】空

●通常よりも製品/Serviceを高く売ることが出来るジャパン・ブランドの維持が出来なくなる。 「グローバル市場とコスト」…公式2 グローバル・ブランドの確率と維持【パラダイス鎖国 46頁】空

「数の多い方が勝ち」という「公式1」を徹底的に追求した韓国、中国や、アメリカのメーカーに対して、日本のメーカーはコスト優位を保てなくなった。高機能化・プレミアム価格に頼ろうとしても、ハード部分のチープ化・単純化によって誰が作ってもあまり基本性能に違いがなくなり、より労働力コストの安い国への外注が進み、また製品全体に対してソフトの占めるコスト比率の増大で日本製品の優位性が低くなった。(中略)機能・品質は高いけれど値段も高い日本製品を買ってくれる人が少なくなってしまった。【パラダイス鎖国 54頁】空

●この2つの問題が起きたのは産業の変化に企業が追いつけなかったため。

人材流動性が低いために、部門売却・企業合併や人員削減は、企業が崩壊寸前の状態にまで陥らない限り、マスコミや世論が許してくれない。【パラダイス鎖国 55頁】雨

過去の成功体験がむしろ邪魔になり、日本の電機産業は、企業統合による思い切った規模拡大によって、体質を新しいコスト構造に変換することができなかった。【パラダイス鎖国 55頁】雨

●企業が海外市場を失っていったのは世界第2位という大きな国内市場を重心していたため。

2008年 各国の国内総生産順リスト(単位は10億US$) 1位 米国 14,264.60、2位 日本 4,923.76、3位 中国 4,401.61、4位 ドイツ 3,667.51、5位 フランス 2,674.09>参考 各国の国内総生産順リスト

日本人の中には「日本は輸出大国である」という認識を持つ人がまだまだ多いと思われるが、GDPから輸出に注目してみると、実際にはほかの国と比べてそれほど大きくないのが現状なのだ。【パラダイス鎖国 67頁】空

GDPに占める輸出の比率が低いのは日本の輸出が「少ない」のではなく、「国内市場が大きい」ということである。【パラダイス鎖国 68頁】空

少なくとも、過去20年程度に関していえば、日本は「大きな国内市場」を持った、アメリカと並ぶ「世界の大国」なのである。【パラダイス 鎖国 70頁】空

●日本がパラダイス鎖国にこもり、変化に対応をしようとしなかったのは変化をすることを嫌ったため。

日本が進んでいる点と、比較的遅れている点の特徴…金融政策や各種の権利保護など、立場の違いにより賛否両論あるような点はなかなか進まないが、「鉄道が便利になる」「上下水道が整備される」「初等教育を普及させる」などといった、誰も批判しにくく、暗黙の合意が形成されやすいものについては、どんどん進む。たとえば、義務教育と違い、一部の人が享受する高等教育の普及率ではほかの先進国より成績が悪い。(中略)結果的には、誰かが得をして誰かが損をするのだが、このように議論が分かれるものについては動きが遅い。また、ブロードバンドやインターネットアクセスの普及というのはわかりやすく、誰も反対しないので進んでいるが、そこで流す映像の居咲件をどのように扱うのか、という点では、議論が分かれて一歩も前に進まない。【パラダイス鎖国 74頁】雨

パラダイス鎖国へ至る過程 「日本はかつて、輸出大国であった」→「日本の企業が海外で競争力を失ってしまった(特に電機業界)」→「内需主導型になって国内ばかり重視し、産業構造が大きく変わった」→「日本は海外で無視されるようになっている」【パラダイス鎖国 79頁】雨

日本の閉塞感の原因となっている最大の課題…日本の企業は過去の成功体験にとらわれ変化が遅い、あるいは大企業では特に雇用の流動性が低い、という問題がある。【パラダイス鎖国 83頁】雨

流動性の低い日本の大企業では、仕事量が急激に減るといったような場合に考えられるリスクを負いにくく、また現在の人員だけでも養うのが大変なので、まったく違う資質の人を雇う余裕もない。このために、外の環境が変化しても、企業の戦略や体質を変えることがなかなかできない。【パラダイス鎖国 83頁】雨

(変化が遅い、雇用の流動性が低いという)同じような理由から、産業の新陳代謝が進まず、新しい産業やベンチャーが勃興する力が弱く、あっても国内市場限定であり、海外にブランドを確立できた新顔は、ここしばらく出てきていない。【パラダイス鎖国 83頁】雨

●日本の弱点。議論が分かれることについては、誰かが責任を持って決めて体制を変えることが出来ない。

社会制度の分野でも、議論が分かれることは一歩も進まない。(中略)通常は、長い時間かけていつの間にか「暗黙の合意」が形成され、既得勢力でも反論しにくくなるまで待たなければならない。本来であれば、試行錯誤を繰り返しながら徐々に変わっていくべきものが、いつまでたっても変わらない。しかし潜在パワーが大きいので、そのエネルギーは「議論の分かれない」「衆目の一致する」分野に集中し、既存の製品の高機能化競争に血道をあげる。このため、使い方もわからないような高機能満載の製品でお互いに競争したり、「セカンドライフが流行る」といわれれば我も我もと出店したりする。衆目の一致しないことをやって失敗すればひどく叩かれるが、周りと同じことをやっていて失敗しても、「仕方がなかった」となる。【パラダイス鎖国 84頁】雨

いつも同じところで、みんなが競争すれば、疲弊と閉塞は加速する。何かと目立つ電機業界が、アメリカ政府から直接文句をつけられない日本市場だけに集中する、という現象もそのひとつといってよいかもしれない。まったく変わらないわけではなが、大変な時間とエネルギーを浪費している。現在の状況に必要以上に適応しすぎ、肥大化して、外界の変化についていけなくなってしまえば、行き着く先は「恐竜化」ということになる。【パラダイス鎖国 85頁】雨

●パラダイス鎖国にこもり、国外の変化に対応できない場合に発生する問題

パラダイス鎖国によって「日本製品は強い」というこれまで築きあげてきた「ジャパン・ブランド」が崩れてしまうと、安価がウリの、ほかのアジア諸国の製品との価格競争を強いられることになる。他国製品より少々高くても消費者は日本製を選択してくれた。それがなくなる。【パラダイス鎖国 86頁】雨

従来の「生産性向上」という、漸進的な対策で環境に対応できるうちはよいが、工業製品を越えた、ソフトやサービスの分野で新しいことに挑戦すると、必然的にコスト構造やエコシステム(業界全体の収益構造)の大きな変化を伴うため、既存勢力と衝突を起こす。(これを日本は避けている)【パラダイス鎖国 87頁】雨

日本で興る新しい産業や企業は、「当初は、どうでもよいと思われ無視されていたようなもの」が多い。ソフトバンクもテレビゲーム会社も、かつては既存勢力の目の届かない「どうでもよい企業」であったし、(続く 続き)また携帯コンテンツ・プロバイダーや、楽天のようなEコマース、マンガやアニメもこれにあたる。こうした「周辺産業」、「ニッチ産業」がやがて将来の大産業に育っていけばよいのだが、その成長過程でまたなにかと邪魔が入る。【パラダイス鎖国 88頁】雨

  • 傘 じゃあどうやって問題を解決するのか。

●変化を起こすためにまずはWebで変化を起こす土壌を作る。

誰かが危機感を訴えることに成功し、痛みを伴う改革に着手したとしても、この大きな国の長年にわたる体質に起因した問題がそう簡単に解決するはずがない。現在の状況は、それなりに意味や経緯があって成立しているわけだから、変えようとすればどこかしわ寄せがくる。変化によって損をする人が騒ぎ出し、反動による逆行が始まる。ここまでパラダイス鎖国の問題を挙げてきたが、「身を切って改革」というよりも「このぐらいだったらやってもいいかな」ぐらいの小さい変化を積み重ね、徐々に新しい時代に適応する体力を作っていくのが、パラダイス鎖国時代を健康に生きる知恵である。【パラダイス鎖国 92頁】傘

アメリカ人は、ウェブではなくリアル世界での「クラスター化」活動をすることにあまり抵抗感がない。もともと欧米には、人々の自発的な「クラスター化」をよしとする文化があり、そういう教育を受けているからだ。しかし、そういった文化のないシャイな日本人は、よほど強い思いがないと、なかなか行動までに移せなかった。(中略)そんな普通の人たちにとっても、「クラスター化」のための敷居が、ウェブのおかげで大幅に低くなったのである。このため、人と情報の「クラスター化」に参加する日本人の数は、飛躍的に増加した。もともと「クラスター化」の文化を有する欧米人よりも、文化として持っていなかった日本人にとってのほうが、ウェブによる「クラスター化」は社会的に画期的な意味を持つ。【パラダイス鎖国 97頁】雨 → Twitterは日本人をクラスター化するのに最適な一つの道具。

ウェブ上での活動が日本を変えることに直結するわけではないかもしれない。しかし、その面白みをしめた日本人の数が、従来の何千倍、何万倍になったとしたら、それが持つパワーは計り知れない。従来なら、「自分が何をやったって、世の中何一つ変わらない」と思うのが当たり前であったのに対し、いまなら「ほかにも同じことを考えている人がいる」「少しなら変わるかもしれない」「大した手間じゃないからやってみよう」と思うことができる。【パラダイス鎖国 98頁】傘

●変化を起こすのはなぜ?それは技術刷新Innovationを起こすため。

パラダイス鎖国の第1問題、「ジャパン・ブランドの衰退」に対処するには、常にイノベーションを起こし、最先端の技術を生み出し、時代を先取りしたサービスや製品を作り、世界市場で効果的に販売することで、コスト競争力のある新興工業国やBRICs諸国と差別化を図っていくこと意外にない。【パラダイス鎖国 100頁】傘

常にイノベーションを起こして成功するには、技術や市場の変化に一歩先んじていかなければならない。だから、新しい状況に対応して変化できる体質が必要になる。ジャパン・ブランドを維持するには、イノベーション・ベースの経済体質を強化し、どんどん変化して行く技術や市場に迅速に対応することが必要なのである。【パラダイス鎖国 101頁】傘

●日本がこれまでに取ってきた主な戦略、日本型の果てしなき生産性向上。

「豊かさ」の戦略 4.日本型の果てしなき生産性向上。漸進的なプロセスの効率化によって、製造部門の生産性をひたすら向上させること。輸出産業では、円高で価格が不利になっても、そのたびにさらなる効率化と生産性工場で乗り切った。ところが、「デジタル・チープ革命」の影響をもろに受けた分野を中心に、こういったやり方が行き詰まりを見せている。日本型のプロセス効率化で違いが出せなくなった分野では、日本製品の競争力が落ちる。【パラダイス鎖国 106頁】雨

●日本が積極的に取り入れるべき戦略、シリコンバレー型試行錯誤方式

スタンフォード大学の授業で教授が「アメリカ政府が産業政策を実施することはよいことだと思うか?」とわざわざ質問した。次の瞬間、「実施すべきでない」にほとんどの手が挙がったのである。アメリカの学生たちは、その理由を「どの産業、あるいはどの企業が、勝ち組か負け組かを、政府が決められるはずがない」と説明した。この「レッセ・フェール(なすがままに任せる)」を原則とし、手探りの試行錯誤を繰り返すやり方は、アメリカというよりも、常に新しい技術が勃興するシリコンバレーで強い考え方であり、この地ではすべての仕組みの根底にある根源的な思想といってよい。どの産業が勝ち組かが分かるのは、「追いつき追い越せ」的な立場にある場合だけである。自分が最先端にいれば、先のことはまったくわからないのが当然である。【パラダイス鎖国 108頁】空

日本の企業は「衆目の一致する有望商品」「世の中の暗黙の合意があるもの」が好きである。「プロセス効率化」を重視し、失敗してその努力が無駄になることを嫌うので、「リスクと、当たった場合の儲けを比較する」のではなく、ひたすらリスクの低い方を選ぼうとする傾向が強い。その結果、「みんながやっている」分野に集中するのである。【パラダイス鎖国 114頁】雨

霧の中で見えないものに向かって完全と進むこと、あるいは、ほかの人には見えないけれど自分だけが見えるものを探すこと。こうした自分にとって必ずしも楽ではないことをやってみようということ、それが「フルモデルチェンジ」を目指すシリコンバレー型試行錯誤方式なのである。>日本のこれから取るべき戦略 その2「試行錯誤戦略」

梅田望夫氏が提唱するけもの道戦略>大企業や専門性の高い職業において、多くの人がひしめく既存のルートで競争を勝ち抜いていくいくやり方を「高く険しい道」と呼び、これに対し、自分なりの「好き」を貫き、これまでにない仕事や生き方を試行錯誤で作り出していくやり方を「けものみち」と呼び、ウェブ時代の新しい考え方として提唱している。

試行錯誤方式は確かに、無駄も多く効率の悪いプロセスだが、まったくの新しい産業を生み出す、ほぼ唯一の方法でもある。今の日本なら、新しいものを作りだすための途中の無駄やコストを負担する余裕がまだある。その余裕する失ってしまう前に、新しいものを作りだすための一歩を踏み出すべきなのだ。【パラダイス鎖国 116頁】傘

(日本は)あらゆるものが、ひとつのシステムに統合されて動いているので、うまいくっているときはきわめて効率が良いのだが、何かを変えなければいけなくなると、自分で変化を生み出し育てることができない。外からの強い力で存亡の機器にさらされなければ、変わることができないのである。アメリカの中では、シリコンバレーやカリフォルニアは特に「変人」の集まっている場所であり、ここがしばしば英語でいう「change agent(変化のきっかけとなる触媒)」、別のいい方をすれば「国内における黒船」の役割を果たすことがよくある。同様に、日本でも「内なる黒船」が必要なのである。しかも、際立った才能を持つ個人とか、たまたまよいタイミングで吹く神風とか、そういった偶然に近いものを頼りにするのではなく、継続的かつシステマティックに、黒船を生み出す仕組みがほしい。それを可能にするのが、「試行錯誤戦略」なのである。【パラダイス鎖国 122頁】傘

「試行錯誤戦略」を取り入れて変化し、まったく新しい産業を興し、たとえレガシー産業との軋轢があってもそれを育てるといった力が、必要とされるようになっている。すなわち、「イノベーション」を促進する仕組みである。【パラダイス鎖国 123頁】傘

●シリコンバレーの仕組み、厳しいぬるま湯

シリコンバレーの「厳しいぬるま湯」。技術ベンチャーで有名なこの地だが、ベンチャーとはそもそもハイリスクなものである。大成功した例ばかりがメディアでは知られているが、その影には成功例の何百倍か、見方によっては何千倍ぐらいの失敗例が積み重なっている。なぜそれでもベンチャーを起こしたり、ベンチャーに就職したりするのかといえば、ひとつは、よく知られているように成功したときの儲けがものすごく大きいからであり、もうひとつは、失敗しても実はそれほどダメージがないからである。【パラダイス鎖国 128頁】空

勤めていたベンチャーのレイオフや倒産で失業するというのは、この地では日常茶飯事である。しかし、仕事がなくなるのと同じ速いペースで次々とベンチャーが立ち上がり、また大企業であっても従業員が他社に転職したり自分でベンチャーを始めたりして欠員が出ることが多い。【パラダイス鎖国 128頁】空

(シリコンバレーの話)自分が起こした会社が失敗したり、勤めている会社が倒産したりしても、それ自体は経歴の傷にならず、また給与水準は必ずしも企業の大きさと比例せず、小さい企業に移っても収入が下がるとは限らない。別の会社に移れば力を発揮する技術者がたくさん転がっているので、一度の失敗でバツをつけられることはない。失敗は恥ではなく、傷のひとつや2つがあった方がむしろ仲間に入れてもらえる。そういった人材をひとつの会社だけでなく、シリコンバレー全体の中で柔軟に流通させることができる。【パラダイス鎖国 128頁】空

シリコンバレーにおいて、ベンチャーを起こすとか、フリーランスとして独立するとか、小さい企業に転職するとか、そういったことは日本で多くの人が考えるほど大冒険ではない。ちょうど保険のように、一企業だけでなくより広い範囲で雇用リスクを分散する仕組みが出来ている。【パラダイス鎖国 130頁】空

●日本でシリコンバレーのような環境を創る方法

日本でシリコンバレーのような「厳しいぬるま湯」環境を創るには、人のつながりを中心として、バーチャルに作るのが現実的であるかもしれない。誰かが、なんらかの指向性を持ったコミュニティを作り、そこに社会的に影響力や資金を持っている個人や企業がパトロンとして参加して、「黒船」になりたい人がその庇護を受けながらアクションを起こす。周囲の人はそれをおもしろがり、賛同し、ネットで援護射撃し、商売に役立つならばその製品を使い、既得勢力から攻撃されれば団結して防衛する。【パラダイス鎖国 135頁】傘

最初のうちは、それが直接的に起業といった「金銭的」な結果を伴なうものではなく、「サロン」や「運動」のようなものであるかもしれない。参加する人への見返りは、刺激的な人に出会ったり知識を得たりといった、非物質的なものにとどまることも多いだろう。その代わり、参加するための入場料はきわめて安い。【パラダイス鎖国 135頁】傘

→これはまさにTwitterの事かと思った。日本ではTwitterが福音となりそう。人々がどんどんとクラスター化しているであろう5年後を考えるとワクワクする。

●変化は混乱と混沌と共にやってくる。

混沌は試行錯誤で新しいものを生み出すエネルギーである。混沌と創造的出会いから、新しいアイディア、新しい企業、新しい産業が生まれ、先端的で独創的な、マージンの大きい「イノベーション・ベース」の経済となっていく。【パラダイス鎖国 133頁】空

混乱そのものは、悪ではない。それは、新しいものが生まれてくる前段階であり、それにはチャンスがたくさん詰まっている。効率優先主義に凝り固まった人には受け入れがたいことかもしれませんが、新しいものを求めるなら、混沌を恐れてはいけない。いや、むしろ時代に必要なものとして、意識して積極的に生み出す必要がある。【パラダイス鎖国 141頁】傘

産業や企業は、結局のところ個人が集まって出来ている。企業の中の個人が多様化することが、産業全体を多様化し、内なる黒船を作り出す原動力になる。その特徴や方向性は、個人レベルでなるべくバラバラになるのが望ましい。多様な人が、意見を交換したり一緒に働いたり、喧嘩したりすることにより、創造的な出会いが起こる。【パラダイス鎖国 146頁】傘

シリコンバレーは、プチ変人のメッカである。あまりに変人が多いので、伝統的な価値観や秩序を重んじる人にとっては住みにくいところだが、変人にとっては居心地が良い。シリコンバレーは、子供の頃、「君ってオタク~」という偏見を持たれてきた人がたくさん集まっている地でもあり、しかも、そういう人が尊敬される場所。エンジニアでは服装がこぎれいな人よりも小汚い方が「できるやつ」と一目置かれたりする。【パラダイス鎖国 149頁】空

シリコンバレーのような厳しいぬるま湯の恩恵をいち早く受けるには、個人の戦略としては短期的には「移住」が手っ取り早い。【パラダイス鎖国 150頁】傘

運動会の順位をつけないことでスポーツの得意な子のやる気をそぐよりも、ありとあらゆる能力を競えるイベントを増やして、誰でもひとつぐらいは目立てる場所を作ってやるほうがよい。それも、別に学校で全部やる必要はない。どこかに、「厳しいぬるま湯」があればよいのである【パラダイス鎖国 157頁】傘

●英語の重要性

チャンスに出会うためには、なるべく多くの情報に接している必要がある。日本だけでもネットを使えばベースは広がるが、英語ができれば情報の量はもっと飛躍的に増える。ロングテール時代には情報が行き来するベースが広ければ広いほどよい。【パラダイス鎖国 154頁】傘

いま何をすればいいかがわからないときは、とりあえず英語を勉強したらよい。どれでも外国語ができればトクだが、英語は世界で最も潰しのきく万能スキルである。どこの国でもどの分野でも、何かしら役に立つ。ロングテール戦略の情報獲得にも使え、世界が広がる。【パラダイス鎖国172頁】傘

アメリカ同時多発テロの爆心地(ground zero)

Wall Streetの近く、Lower Manhattanにアメリカ同時多発テロ爆心地(ground zero)があります。爆心地は郊外ではなく多くの人々が行き交う街中にありました。こんな街中であのテロが起こったのかと驚きました。また、New York滞在中にこのテロで友人や同僚を亡くした人達、実際にテロを目撃した人達と出会いました。

テロ跡地は未だ復興途上です。広島・長崎の爆心地と同様にこの場所もまた歴史に残る場所となるでしょう。以下、去年の9月11日に爆心地を訪問した時の写真です。

DUMBO, Brooklyn Bridge Park, Brooklyn Heights

BD-1にてThe Brooklyn BridgeとThe Manhattan Bridgeの近くにある公園に行った際に撮影した写真を掲載します。この地区のことはDUMBO(Down Under the Manhattan Bridge Overpassの略)と呼ばれています。

当日はとても良い天気で絶好のサイクリング日和でした。とても気持ちの良い一日だったのでBrooklyn Bridge Parkにてうたた寝をしてしまったくらいです。

DUMBOの後には高級住宅街のBrooklyn Heightsまで走りました。以下、写真と共に地域のことを説明します。